2018年3月23日金曜日

基板修理

MV-1AGX以外にも修理関係の話があったので、それも記録に。

まず1つ目は修理とは少し違うけど、画面がモノクロになっちゃう問題を調べた話。
これ、基板側を色々調べたわりには結局は相性問題の一種だった。間に別の機器を挟むことで似たような問題を回避してる人もいるみたい。この並列に抵抗を挟む解決方法はかなり雑かつノイズも乗りやすいので、真面目に対処したい人は分圧なりの回路を挟むほうが良いかと。基板にあまり手を入れたくなかったのでこういう対処になったんだけど、考えたらハーネスにSYNCのボリューム回路でも挟んでおけば万全だったのかもしれず。RGBはS端子に変換するとこで個別のボリューム付いてたんだけどSYNCはなかったので。

もう1件は起動最初の画面で固まっちゃう基板。もともとこの事は明記されてたジャンクで、基板には液漏れの跡があり、一部のコンデンサの足がやや腐食気味。1つだけ完全に腐ってて、電解ではないんだけど容量抜けの状態って言って良いのかな?セラミックなんだけど、ほぼ足しか残ってないような状態で。このコンデンサ取り替えれば生き返るかなぁ、というのが最初の目論見だったんだけど、見事に外れて。
その後、こんな感じでエミュレータで動作確認してみたりとか。まぁ、サポート追加と言っても共通のベースボード使ってるタイトルがあったので、タイトル追加してサブボード部分のコードを追加したくらい。ほんの30分くらいのハックで起動してます。

で、起動してみてわかったのが起動時には日時が表示されていて、実機ではその直前に固まってるようにみえる。なので、とりあえずRTCとして使われてるM6242Bのクロックをエミュレーション上で止めてみたところ同じところで固まった。という事で、基板ではM6242Bのすぐ横にあった32.768kHzのクリスタル、少し変色してたので交換してみたところ、すんなり起動しました。


外したクリスタル。宇宙人じゃないよ、うじゃじゃ。

これで今のところ直せてないのはOBJ RAMが死んでるヴァンパイアハンターのみ。

2018年3月22日木曜日

うちのアーケード基板用コントローラの話

公私共に忙しくなってきて、ちょっと暫くはアップデートできそうにないので。この辺りで一度整理しておこうかと。ウェブで色々公開している人達は仕上げも凄い綺麗なんだけど、僕はそっち方面にはズボラなのでご容赦。ものすごーく雑です。

まず、コントローラの基本的な部分。


Xbox360向けのコントローラを安く入手して改造してあります。この辺りの詳しい解析結果なんかはQiitaの記事Xbox360のコントローラをばらして*Piに繋げるにまとめてあります。


で、裏面を見るとこの通り。電源刺すと単体でHDMI出力できて、そのままゲームが遊べたりする(笑)。X68000のエミュレータが動くので超連射68kとか結構快適。実体はRetrOrangePi / OrangePi ONEですが、追加で色々とドライバが突っ込んであります。この辺りはGitHubでopipadとして公開しているもの。GPIOに繋いだコントローラがそのままjoystickに見えたり、モードを切り替えるとキーボードエミュレーションしてくれたり。あと、ドライバ自体に連射サポート機能がついてます。Xboxボタン押しながら各ボタンを押すと連射ON/OFFみたいな感じで。連射が入ってるボタンはLEDでわかったりします。ドナーの機能をフル活用してる!またUSBでPCに繋げる事でUSBコントローラとしても認識されるようになってます。


でまぁ、我が家の場合、JAMMA用電源側にUSBコントローラ挿せるようにしちゃってたんで、そっちにUSBで挿せばそのまま使えはしたんですが。JVSに繋げる時に直接あった方が便利かなーってのと、電源側には1Pしか刺せなかったので。2P側として挟めると便利かなーとか思って。いつもボッチで遊んでるけど!でも2P側で入ったほうが簡単なシューティングってそこそこあるし。って事でJAMMAコネクタ用のブリッジが2種類ついてます。

ここはちょっと配線……ってわけにはいかなくて、Orange PiのGPIO側と共通で繋がっているためにちょっと面倒な事に。整流なりしときゃよかったんですが直結しちゃってるんで、Orange Piの電源が入ってないとGND側に1kΩくらいで吸い込まれる。なので、わりとで電気もったいないなーって思うくらいの値でpull-upしてあげる必要がありました。忘れないうちに……って書いてるのにもう忘れてる!たぶん100とか200Ωくらい。でもまぁ、このおかげで、ほとんどのケースはこのコントローラで用が足りちゃってます。


あと使ってるうちにどうしても欲しくなって付けちゃったもう1つの便利回路がコレ。連射装置+α。高橋くんと命名してGitHubに公開してあります。ATMEGA-88があれば作れるので数百円くらい。主に3つ機能があって、

  • ボタン1〜4の連射
  • 4ボタン・6ボタン配置の変更
  • 2ボタン時に連射ボタンを別割り当て
という。あまり融通は利かないんですが、よくあるユースケースはカバーしてる感じの機能になってます。まぁ、完全に自分の好みに合わせて作ってますね。

連射については速度切替がついていて毎秒10/15/20/30連射の切り替えが可能。

4ボタン・6ボタン配置の変更ってのは分かりにくいんですが……コントローラのボタン配置って

         (X)    (Y)
   (B)
        (L)    (R)
  (A)
みたいになってて。これを通常は
         (3)    (4)
   (2)
        (5)    (6)
  (1)
この配置で使ってる。これだとNEOGEO系の4ボタンで遊びやすいし、シューティングで2ボタン、3ボタンでもこっちの配置の方が手の形に馴染む。

で、6ボタンモードをONにすると
         (2)    (3)
   (1)
        (5)    (6)
  (4)
こっちの配置に切り替わる。CPS2で6ボタンのゲームやろうと思うとこっちの配置でないと辛い。Atomiswave系で使いやすいのはケースバイケースかなぁ……5ボタンはほとんどやり込んでなかったので特に好みはないし、BAXLYみたいな配置だと今の作りじゃ実現できない。そもそもその時期ゲーセン行ってないので、本物がどう配置されてたのか知らない。

で、これらの機能とは独立して2x2ボタンモードってのがあって。このモードをONにすると、ボタン3/4の入力がボタン1/2にも反映される。利用方法としては2ボタンで手連射が必要なシューティング対策。2x2ボタンモードONでボタン3の連射をONにすれば、ボタン3が連射付きボタン1として機能する。作戦名ラグナロクとかGダライアスVer.1向けにどうしても欲しくて……。

とまぁ、そんな感じ。


あとオマケ。麻雀用のコントローラ。配線面倒だった。麻雀コネクタからJAMMAへの変換ブリッジも兼ねてる。

だいたいコントローラ回りでやるべき事は尽きてきた感じで。あとは麻雀コネクタをJVSの変換ボードに繋げるようにするくらいかな。そうそう、JVS変換ボードのionaも、少しアップデートして特殊なコントローラを要求しないnaomiのゲームなら試した限りは通るようになってます。思った以上にデバイス名のSEGA〜をチェックしてるゲーム多いみたいだったけど。あと2Pがないと駄目とか。なので他社のJVS基板では弾かれる可能性は高いなー。まぁ、そこはArduinoになってるんで、カジュアルにデバイス名を修正して対処、と。

MV-1A 修理とマルチBIOS化

3,000円そこそこでジャンクとして入手したMV-1A基板。とりあえず基板の掃除と接触不良の確認とか、基本的なメンテをしたら起動するようになった。


最初はこんな感じで画面が少し崩れてたけど、最終的にはほぼほぼ完璧に動作するようになった。「ほぼほぼ」って言ってるのは、なぜかKOF'99だけで音が出ないため。他のカートリッジでは音が出てるので原因は良くわからないんだけど……このカートリッジ自体、接触悪めなので、あまり気にしないことにした。(追記:その後、同じ症状の基板を入手したので調べてみたところ、別のカートリッジでは……というのは誤りで、どうもBIOSのROMの接触に関係してるようです。ROMを差し替えたら動作したのでBIOSの版が影響しているのかとも思ったのですが、その後、元ROMに戻しても鳴るようになりました。あるいは別ROMが叩くなんらかのハード初期化が影響した可能性もありますが、そこまでは問題を切り分けられていません。)

で、この子はBIOS簡単に差し替えられるので、せっかくだから複数のBIOSが切り替えられるように魔改造してみた。前回の基板もあるのでASIA/EUROPE版と日本版のBIOSが手元にあるので……0x00000401だけ望みのリージョンに書き換えとくとかじゃなくて、普通に両方のBIOSを胸張って載せられる!まぁ、個人的にはBIOSメニューが日本語になっても嬉しくないけど。日本語フォント綺麗じゃないし。UniBIOSはまぁ解釈は人それぞれだろうけど、OKと思えばそれだって切り替え可能にする事は可能。

(マルチだから、はわわ)

こんな感じですね。本来のEPROMの4倍サイズのEPROMを載せてます。右上の2ピンが役割が違っていて、アドレスの上位2ビットになってます。なので、この2ピンはソケットから外してあって抵抗で強制的にpull-down。DIPスイッチ入れるとHIGHになるように空中配線してます。これで4種類のBIOSが切替可能。

普通の人は2倍にしといてオリジナルとUniBIOSを切替可能にしとけば十分かも。いや、UniBIOSだけで十分なのかもしれませんが。

2018年3月15日木曜日

【修理】System GX 基板【3枚目】

名作揃いのKonami System GX基板。サブボード形式になっているものの設置が面倒なためか、ほぼほぼマザーとセットで売買されてますね。そんなわけで自分もヤッホー、メモ玉の2セット持っていたのですが、起動できないというGXマザーがほとんど入札されないまま1,600円というお手軽価格で出品されていたので、ついつい修理ゲームのために入手してしまいました。

ジャンク基板も高値で取り引きされてる昨今のヤフオクアーケード基板事情を考えると、これはかなりラッキーです。表立って名前は出てこないものの、基板を中古販売しているお店の大半がヤフオクを仕入れ元、あるいはオンライン店舗として利用しているため、(お店で修理できそうな)ジャンク品も含めて相場が高止まりしてるのが現状です。

と、そんなわけで運良く安く手に入れたGXマザー。手元に届いて現状を確認してみるとJAMMAコネクタ付近のDIP8をソケット化改造した跡がみられました。


写真だと分かりにくいけど、裏面から見ると基板表面のコーティングが解けてるので半田ごてあてたのが良く分かる。

で、このICを調べてみたら3線式のEEPROMでした。この時点でGX触ったことある人ならピンと来ますよね。サブボード交換した時に明示的に初期化しないといけないEEPROMの実体がこのICのようです。となると起動しない原因はこのEEPROMにありそう。

ちなみにサブボード交換時にEEPROM初期化を忘れると

  • EEPROM Errorの表示
  • 画面が真っ暗
といった症状が発生します。普通は前者っぽいけど、一部のサブボードで後者のパタンがあるようです。EEPROM初期化はTEST押しながらPONですよ、マニュアル持ってない人のために念の為。

で、ソケットを見るとNational SemiconductorのNM93C46が載ってました。調べてみると93C46は各社から互換品が出てるんですが、微妙な型番違いで8-bits/16-bits選択のできるORGピンがあったりなかったりします。で、今回載ってたのはORG線のない16-bits固定のやつ。一方、自分のマザーに載ってたのはSTMicroのORG線ありのやつ。という事で高確率でこいつが原因。秋月で25円で売ってるATMELのAT93C46Dに交換してみます。この後ろについてる「D」が重要。


あとは順に確認なんですが、まずはサブボードなしで起動するのが良いですね。「警告:サブボード刺さってませんよ、確認して再起動してね、コナミより」的な英語のメッセージが画面全体を右から左にスクロールしていく画面が表示されればマザーは最低限生きてる。面倒なんで未確認だけど、もしかしたらこの時もEEPROMに正しくアクセスできるかくらいは確認してて、最低限のゲーム非依存の初期化をしてる可能性はありそう。でなければ出品主だって気づいたろうし。実は今回も交換後すぐにサブボードありで起動しようとしたら起動しなかったのでした。

その後はサブボード刺した状態でTEST押しながらPONで無事に起動を確認できました、めでたしめでたし。

サブボードとセットでEEPROMも交換すれば毎回データ初期化しなくても良いので、サブボードを真面目に交換して運用したい人にとってはこの改造は便利ですね。自分で高値で買ったボードを改造する気にはなかなかなれないので、最初から手が入っててお安いのは嬉しい買い物でした。問題はサブボードだけが安く売り出されてることがほとんどないという現実なのですが!!

本当は沙羅曼蛇2のサブボードが欲しいのよー。

2018年3月9日金曜日

Montage 7が修理から帰ってきた

先週の土曜日、スタジオで片付けをしている際、ソフトケースに入れて立てかけてあったMontage 7が……バタンorz

よりによって、上面から落下です。ノブの破損を心配したのですがノブは全て無事。しかし、鍵盤が2本折れてしまいました。これ、限界以上に鍵盤を押し込んだ時に折れるみたいですね。転倒時にケースに入ってたペダルがあたったのかもしれません。

ヤマハのサイトに修理料金の目安が掲載されており、シンセは鍵盤1つ交換で1〜1.5万とあります。対応地域では出張修理もできるという事で、この時点ではざっくり5万くらいあれば練習に穴をあけずに修理できるかなぁ、くらいの気持ちで現実を受け入れます。

で、週があけて修理センターに問い合わせ。送ってもらえれば到着後2〜3日で直せます、自分で持ち込み、ピックアップできるなら配送時間も短縮できます、との事だったので、出張はお願いせず、センター側で直してもらう事にしました。

翌日、見積もり連絡があり、だいたい1.8万との事。その翌日には修理完了したので配送しますって連絡があったかな? で、木曜に到着して明細が入ってました。

こんな感じで。目安では鍵盤1つにつき〜って書いてあったので、まぁ技術料はあるにしてもおおよそリニアに値段増えるのかな、と思ってたんですが、実は鍵盤はたったの280円(笑)。なので、もっと派手に壊れてもそこまで値段は変わらなかったみたいですね。

まぁ、お値打ち価格とは思いますが、部品だけ購入可能なら購入したいかもって価格差ですね。嘘でも鍵盤代3,000円 x2、技術料1万円くらいで言っといた方が良いんじゃなかろうか。まぁ、Montageは元の値段が高いからこのくらいの修理費は受け入れちゃうけど、10万くらいのシンセでこの明細見ると悲しくなりそう。

そうそう、JUNO-Gは2度目の液晶故障でそのまま放置してます。修理後の液晶基板も設計ミス残ったままのやつだったのねぇ……。

MV-1C BIOS交換に挑戦

中国から買ったらBIOSがASIA版だった……と以前お話したMV-1C、その気になったのでBIOS交換に挑戦。


後期の小型基板は、差し替え可能なDIPソケットではなく、SOP40ハンダ付け。写真の中央にあるTOSHIBAのROMがソレです。ハンダ付け得意でもないのに大丈夫なのか……まぁ、CP/Mega作った時にSOPのSRAM配線したしな……と自分に言い聞かせる。

んで、ヒートガンとか持ってないので、元のROMとか気にしないでザクザク足をカットしてしまえば楽ちん……だったのですが、欲を出して工具で足を一つ一つ弾きながらハンダを外していくと……。

じゃじゃーん。なんとランドが4つも剥がれてしまいました(涙。もうね、この時点で駿河屋でMVS基板の値段調べちゃいましたよ。「え、音声出力に不具合あって8,000円ちょい?これステレオ直出しすれば回避できるかな?」みたいな感じで。しかしまぁ、すぐ上に68000が鎮座しているので「こんな状況でも最悪CPUからパッチすりゃなんとかなるんじゃない?練習に良いんじゃないの?」という気分にもなって、もう少し頑張ってみる事に。

まずはランドが剥がれた端子それぞれについて、周辺の配線をカリカリと削り、UEWを無理やりハンダ付け。近くのスルーホールとUEWにテスタをあてて配線できている事を確認。ここまでは良かったんだけど、折り曲げたUEWの方向が気に入らなかったので、ククッと回そうとしたら、ベリベリベリ……っと。信じられないことに基板上の配線が剥がれてしまいました。これにはめちゃくちゃ焦った。7ピンの配線が上側のランドより上の方までめくれ上がってる(汗。上の写真は、仕方ないのでそれっぽい位置に絶縁テープで固定したところ。これで基板の寿命がぐっと縮む気がしたけど、動かないよりはマシ、な心で。リトルライオンハート。もはや、ただ雑なだけ。

でまぁ、一応テスターあててショートとかない事を確認したりはしてみたんだけど。まぁ、絶対動かないよなー、ですよねー、くらいの気持ちでおりました。で、電源オン。

わー、動いてるよ。日本語でタイトル出てるよ……本当かよ、これ。

そんなわけで無事にBIOS載せ替え成功。基板の寿命と引き換えに。いずれお値打ちなタイミングを見つけてもう1機確保せねば。

しかし、ホント眼鏡してると配線見えない。ハンダ付け確認してるとすぐに目が霞んでくる。老眼ですね、そうですねー、と。思いました。