2016年9月21日水曜日

古いMacBookのバッテリーをやむを得ず自力交換した話

古いマシンのリペアとか、あまり需要のない話かもしれないけど。Macを制作に使ってる人なんかは古いマシンじゃないと動かないアプリ、あるいは古いバージョンのアプリでしか読めないデータなんかを持ってる関係で細々と旧型マシンも運用している人がいるかとも思うので参考までに。

ちなみにAppleのサポートページで見た時にはMacBook (13-inch Late 2009)と表示されているモデル、機種IDで言うとMacBook6,1です。Core 2 Duo 2.26 GHz、メモリ 4GB、ストレージ 250GB。自分の場合、DAWのメイン環境がここに入ってました。ホスト名みたら去年生まれた娘と同じ名前……。

バッテリー膨張による本体破損

毎日使ってるマシンなら早期に発見できたのかもしれませんが、僕の場合は1年ぶりにマシンを使おうとして発覚。半年前に一度マシンを整理、置き場所を変えていて、この時点では異常がなかったので数ヶ月放置している人は要注意って事になります。
気づいた時の有り様がこれ。バッテリーが膨張して、真上に実装されていたタッチパッドが飛び出してる。キーボードの部分も変形しています。これを見た時は「運良ければ新しいマシンを買うくらいの値段で治せるとか、そういう世界だよね」とか諦めモードでした。閉じてたのにディスプレイに傷がないのが不思議。上に別のマシンが積まれていて、それなりの圧力で押し付けられていたはずなんですが。というか、最初は圧力で壊れたんだと思ってました。

Appleはサポート終了、業者は高い

サポートページの手順に従って修理を検討するも「テクニカルサポート:期間終了」「サービス保証:期間終了」の文字。念のため近所で正規の修理を請け負ってる大手量販店の修理受付に電話で確認すると「Apple Storeで直接依頼すればまだ修理を受けられる可能性がある」との事でサイトから電話番号登録してコールバック待ち。数分後に連絡あって話をしてみると、この機種のバッテリーはもう対応できないとの事。ただ、相談にのってもらう中で「この状況で電源投入を試すのは危険ではない」旨を教えて頂いた。電源入るようなら簡単にデータ取り出せますよ、と。これが後々の自力修理へのモチベーションに繋がった。

また、正規の修理は受けられないが、対応している外部の修理業者もあるので、そちらを検討してみてはどうかとも言われたので、まずそっちをあたってみた。とりあえず検索して出てくる古いMacを専門に見ているような業者に電話してみたが、バッテリー交換だけでも1万円前後、ボディーが破損しているとなると5万円くらいになるかもしれないと言われ業者での修理は断念。まぁ、妥当な価格だと思う。ただ業務用と私物で他にも9台Macを持ってる身としては、そこまでこのマシンにお金をかける気もなく。とりあえず電源入れてデータだけでも確認しとくか、という気分に。しかし、改めて数えてみると酷いな、合計10台。

電源投入「こいつ、うごくぞ」

バッテリーは完全に死んでいるようだが電源を繋いだら普通に起動した……というか、どうやらサスペンド状態だったらしい……まるまる1年間。こんな状態なのにサスペンドから完璧にレジュームしてくれた。トラックパッドも普通に動いているので「これ、ひょっとして治せるんじゃ?」と気分が高まる。順序が逆になるが、実はこの時点で起動していたChromeのバージョンと、開いていたAmazonのページの翌日お届けの日付を見て最後の起動がほぼ1年前であることを知った。

しかしMacってわりと頑丈だよなぁ。以前Airに焼酎飲ませてしまった時も、ブラックアウトして反応しなくなったのに、数日後には華麗に復活して、何事もなかったかの如く今も妻が現役で使ってる。


分解・修理してみる

検索したらこの時期のMacBookは簡単に分解、パーツ交換できる事を確認。実際プラスとY型の特殊ドライバがあれば裏のネジを外すだけで簡単にメモリやディスク、バッテリーにアクセスできた。Y型のドライバは秋葉の工具屋さんとかで売ってる特殊ドライバセットなんかに入ってるやつで大丈夫。
あんまり沢山は写真撮らなかったんだけど、とりあえず取り出したバッテリーはこんな感じ。3つのブロックになってるみたいだけど本体中央にあたる一番端のブロックがパンパンなってる。
で、バッテリー抜いた状態で歪んでたキーボードとパッドを押し込んでみると驚くほど綺麗に元通り。レジュームにも驚いたけど、このパッケージ設計も良く考えられてるんだなぁ、と感心。電源に繋いで使い限りはこの状態でも使い続けることは可能。

バッテリーを交換する場合、このモデルではA1331またはA1342互換の物を探せば良い模様。別モデルの場合、取り出したバッテリーの型番や電圧を頼りに調べてみて下さい。特に電圧はちょくちょく変わってるようなので注意。今回Amazonで調べたら送料込みで5,000円弱で互換品が手に入りました。モノによってはバッテリー残量が表示されない事もあるようだけど、今回手に入れたやつは対応しているとの明記があったので安心して入手。
こんな感じで、きちんと残量表示できてます。

一応Disclaimer。修理全般に言えることではありますが、特にバッテリーに関しては自己責任で探してください。バッテリーの場合、滅多にないとは信じたいけど、粗悪品を掴むと最悪火災に発展するリスクもあるわけで。まぁ、ニュースになる程度にはレアな体験になるかもしれませんが。不安な場合はヤフオフで中古のジャンク品を手に入れて交換するのもありです。バッテリー抜かれてないか確認したり、落札の手間暇とか考えると面倒ですが、値段的にもそっちのほうが安いかな。

完成

虫歯になった部分、とりあえず破片が9割ほど残ってたので瞬間接着剤でくつけてみました。ますます治療した虫歯みたいになってます。この記事も復活させたMacBookから書いてますが、特に問題なく快適に使えています。メモリ8GB化とかも数千円で出来そうなので意味もなく交換してみたい気もしますが、それはそれ。