2017年4月9日日曜日

MONTAGE 雑メモ 5 - アルペジオの編集方法を探す

アルペジエーターのプリセットとか、デモ用の音色の見栄えを良くするだけに存在するわけで、こんなの実戦で使うはずもなく。約10,000タイプとかいう莫大なプリセットはプレイヤーにとっては本当にどうでも良い無駄なスペックなわけです。で、本当にアルペジエーター使う気になった時に必要なのは、自分でパタンを作り込む機能。

そんなわけでMONTAGEのマニュアルを隅から隅まで探しまくるわけですが、ユーザーバンクが存在するらしい事はブロック図からわかる。仕様によれば256タイプ記憶できるらしい。ただ、編集方法について一切触れられていない。唯一触れられている事と言えば、リファレンス・マニュアルのUtilify>Contents>Loadの項にユーザーアルペジオを含むMOTIF XFのデータ(.X3Aまたは.X3G)が読み込み可能という事だけ。

いやいやいや、そんなはずは無いだろう、と国内外の情報を漁ってみたんだけど、USや欧州のユーザーフォーラムでも「MONTAGE単体では編集できない」「MOTIFはもう手放しちゃったよ」「アプリでいいから出してくれ」みたいなやりとりが飛び交う状況。で、諦めかけていたところにUSのFAQに「Montage 6/7/8: How To Create User Arps」という項目が。Last Update: 02/16/2017って事なので、最近のアップデートで入った機能なのかも(1.20で追加されたらしいので2016年9月頃か)。ただ、この説明も凄く不親切で、この通りにやっても「User Arp」はメニューには現れなくて、シーケンサにMIDIデータを記録した状態で名前を変更しようとするとはじめてスライドメニューにエントリが現れる。「Save As .mid Files」が記録後は常時ボタンとして表示されている事を考えると、ほとんど隠し機能に近い。でなければインタフェースデザインが狂気。少なくとも僕はこのFAQを読みながらですら目的のUIに到達できず、1.51では消されてしまったのではと不安になった。

諦めずに調べ続けたらもう少し親切なページを見つけた。「MASTERING MONTAGE: ARPEGGIO MAKING 101, PART I」「MASTERING MONTAGE: ARPEGGIO MAKING 101, PART II」「MONTAGE CONNECT PART II: WORKING WITH USER ARPEGGIOS」という本家が公開している3つのチュートリアル。UIのスクリーンショット付きで、これを見てはじめて「え?pop-inメニューに追加されるの?」と気づく。手順的にもデータの記録が含まれているので、書かれている通りにやれば再現できる。

という事で、シーケンサで作れるという事はわかったわけですが、MONTAGEのシーケンサは本当に投げやりで……。基本的に凝った編集機能をシンセに内蔵するのは諦めて、その手の細かい作業は全部Cubaseに丸投げ。本体は演奏支援に集中ってのが開発方針のようで。それはそれで正しいとは思うんですが、リアルタイムレコーディングしかできない環境でのアルペジオパターン作りはちょっと無理。なので、基本はDAWでシーケンス組んで.midでMONTAGEのシーケンサに取り込み。で、このUIからアルペジエータ用のパラメータを付加してユーザーアルペジオとして保存、ってのが基本になりそうです。

でまぁ、実際の作業はUSBメモリの抜き差しが面倒だったんでMONTAGEをUSBでmacに直結。Cubaseから実機の音を確認しながらシーケンスを作った上で、最後はCubaseでシーケンスを1小節長めにループ演奏させといて、同じテンポ+32分程度のクオンタイズに設定したMONTAGE側のシーケンサをタイミングよく(笑)スタート。スタートのタイミングがあまりずれてなければクオンタイズで正しい位置に納まりますね。Cubase側のチャンネルのMIDI INを切っておかないとMIDIがループバックしてダブったシーケンスが作成されるので注意。CH.1がキーコントロール切っても鳴り続けたり、なんか音色がおかしかったりで悩んだんだけど、原因はこれだった。

作ったシーケンスを手順に従ってOrg Notesタイプで保存、パートにアサインしてみたんだけど、トリガーのキーもキーオンされてしまうとか、キーレンジから外れた場所で別のパートで演奏していてもコード推定・追従が動いてしまう、キーレンジから外れた音はアルペジエータからも鳴らない、などなど細かいところで少し悩んだ。トリガーのキーオンに関してはKEY MODEあたりを変えれば消せる。キーレンジ外でのコード追従に関しては、アルペジオのレンジ設定で対応できた。キーレンジ外の音をアルペジエータが鳴らしてくれない問題は残念な挙動。基本、アルペジエータのトリガはキーボードの隅にスプリットしてアサインするだけなので、キーレンジ外でも演奏して欲しいんだけど。しかたないので、音色を編集してオクターブシフト+アルペジエータのノートシフトで鍵盤のない領域へ追い出して弾いてもらう事に。ちょっとキーレンジもったいない。

さて、次はモーションシーケンサーについて調べる予定。アルペジエータのユーザバンクが少ないので、フィルタのシーケンスとか毎度アルペジエータで作ってたらすぐにパンクしそうなので、できたらモーションシーケンサで済ませたい。

追記:キーレンジ問題については正しそうな設定方法がわかった。パフォーマンスのパート設定にあるキーレンジは目一杯開いておいて、アルペジエータのKEY MODEをSortなど演奏データを直接キーボードに送らないモードに設定。トリガーに使いたいノートのみをアルペジエータ側のキーレンジに設定すれば、レンジ内に入ったノートを弾いた時のみにキー全域を使ったアルペジエータによる演奏が展開できる。アルペジエータ使う音色ではアルペジエータ側でキーレンジ設定するのが無難みたい。

2017年4月4日火曜日

MONTAGE 雑メモ 4 - 1曲分の音色セットを作った上での所感

スライダーを使ったオルガン

雑メモ1でスライダーをドローバーのように使ったオルガンの音がない、って書いたんだけど、全然嘘だった。1パートだけど中で8エレメントそれぞれをオルガンの倍音にアサインしてあって、各レベルがスライダーで調整できるようになってる、ってオルガンの音は普通にありました。これは楽しい。

SCENEスイッチ

とりあえずミュート設定を覚えさせるってところから使いはじめてみた。ミュートなんで切り替える時に鳴ってる音は「ぶちっ」と切れちゃうので使い方には工夫が必要ですが。例えば左のほうでコード抑えながらシーン切り替え。弾いてたコードの音色だけ残して、中央〜右側にアサインされてた音色をごっそりミュートして、ソロ音色をON、みたいな使い方はわりと上手くいく。音色並べてく時に、この辺の流れを意識して置かなければうまくいかないけど。冒頭だけ出てくるピアノ(またはオルガン)のグリッサンドをアサインしたいけど、一瞬だけ出る音のためにそんなにレンジとれないー、みたいなケースに対応するには良さそう。

って事でE.L.T.の曲くらいだったらPerformance 1つでスプリット+レイヤー+SCENEを使って全部の音色カバーするくらいだいたいできそう。もちろん単独1台で。

演奏中のパート切り替え

LCDのPerformance画面でパートを選ぶしかないのかなぁ、と思ってたんだけど右上のPPERFORMANCE CONTROL > PART SELECTで選択できた。ただまぁ、やはりキーボードコントロールが複数グループ化をサポートしない限り使いみちはないかな。PART MUTEボタンも効くので、結局はキーボードコントロール全ONの状態でMUTEをこまめに制御とか。となるとSCENEに割り当てて、ボタン一発で、みたいな方向になっちゃう。というか、そういう流れでSCENE使う事にしました。複数グループのかわりにSCENEがキーボードコントロールを覚えてくれてもいいけど(というかMixing覚えるんだから覚えて欲しい)。この場合PART 1は常時ONの無音ダミーパートにしないとだけど、SCENE切り替えで音切れなしの(レイヤー+スプリット)→(レイヤー+スプリット)切り替えができるようになる。まぁ、今便利に使ってる機能も途中のバージョンアップで追加されてきたみたいだから今後のアップデートに期待。