2021年8月28日土曜日

基板修理:eX-BOARD

動かないeX-BOARDが2つほどあったんだけど、息抜きに少しいじってみたら簡単に直ってしまったのでメモ。のすけさんの修理本も参考にしました。

壊れてた2台は電源入れてもLEDが点かない状態で、電源の故障を疑って放置してました。んで、Pico PSUを用意して作業を開始したのですが、実際はBIOSの電池切れで存在しない電源ボタンを押されるのを待ってる状態でした。

という事で、まずは下側の基板にある電池を交換。普通にCR2032で交換可能なソケットに刺さってるので交換は簡単。この状態で仮組みして電源を入れると、電源ボタン待ち状態になる。

で、電池の左に見える2x8ピン(1ピン欠けてるので実際は15ピンだけど)がフロントパネル用のコネクタ。このへんはマザーボードのマニュアル見っけてくれば載ってる。写真の向きで、

1+5VDUAL2+5V
3+5VDUAL4HD_LED
5-PLED_26PW_BN
7+5V8GND
9NC10RST_SW
11NC12GND
13SPEAK14+5V
15欠落16-SLEEP_LED

らしいので、このうち6番のPW_BNをGNDに瞬間的に落として上げると電源オン、もう一度瞬間的に落とすと電源オフ、の繰り返しかな。基本的には電池を交換してあげれば、あとはここをショートさせて電源を入れるのは1回だけで良いはず。それ以降はマザーボード的には電プチで強制終了されるので、BIOSの電源管理設定により、次回の電源投入時には前の状態に戻ろうとして自動で電源が入ります。

続けてこの状態から電源を入れると、BIOS設定の初期化をちゃんとしろって怒られるところで止まっちゃう。

ここでキーボードが必要になるので、シール封印してある部分を開けるか、下のボードもケースから出すかしてUSBキーボードを指す必要がある。

この部分。シールはピンセットで端からペロってめくればほぼノーダメージではがせます。で、DELキーを押してBIOS設定画面に入るとパスワードを聞かれるので「onestar7」でENTER。しれっと書きますけど。で、BIOSに入ったら初期状態のまま何もせずに保存して終了で問題なし。再起動が始まるのでキーボードはすぐに抜くこと。抜かないとWindows起動後にドライバ云々のダイアログで止まります。

以上で作業完了。あとは元通りに組み立て直して完成。

ちなみに、片方のマザーは下のボードのコンデンサが1つ死んでました。

このままの状態だと電源投入が不安定になってました。一度動き出せば安定するんですが、数秒で落ちちゃう時と動き出すときが半々くらい。まぁ、明らかに良くない状態なので、これに関しては交換で対応。1500uF - 10Vだったかな。基板のハンダは自分の設備だと450度くらいまで上げないと溶けなかった。普段190度のハンダを320度設定くらいで使ってるので、きっと出てる数値は高め。適度に融点低めのハンダと混ぜながら吸い取って引っ張りました。

そんなわけで、のすけ先生の記事はBGAのチップのハンダ不良を直したりという離れ業をやってたのでガクガクブルブルだったのですが、手に入れた故障基板は比較的簡単な修理で済みました。

余談:eX-BOARDの電源はJAMMAから供給するか、裏側の12Vアダプター経由で供給するか選べるようになっているけど、JAMMAから取る場合、12Vのみを取り込んで電源ユニットでATX電源に必要な各種電圧を作る。アダプターの容量から考えると5A必要なのでJAMMA側から供給するのは諦めたほうが無難。あと中の電源基板についても、壊れてたらさっさとPico PSUとかに交換しちゃった方が今なら省電力で発熱も押さえられるかも。

追記:BIOS設定画面は最近のモニタだと映らないかもしれないくらい低解像度かつS端子からも表示出てない気がするので将来の自分のために画面見ずにタイプするためのメモ。DELを押したら数秒待ってパスワードonestar7↩、BIOSに入ったはずなのでカーソルで↑↑でSAVE & EXITに移動して↩↩(2回目は確認ダイアログのYes選択)

おまけ:マザーのDIPSWは

  1. JAMMA経由の音声出力
  2. JAMMA経由の映像出力
  3. タイトル固有設定
  4. タイトル固有設定
  5. タイトル固有設定
  6. タイトル固有設定
  7. タイトル固有設定
  8. タイトル固有設定(AH2では15kHz画面出力)

2021年8月16日月曜日

2021年春から夏にかけて遊んだゲーム

スラップファイトMD版SPECIAL

メガドラミニで去年ノーマルモードを1周してたけど、やはり古代ファンとしてはスペシャルモードもクリアしないとね、という事で。

R-TYPE Final 2

クラファンでサポートしてた待望の新作。PS4版でNORMALはノーミス、BYDOはワンコインでクリアできました。iremゲームで(はないけど)ワンコインしたのは初めて。

戦刃アレスタ

ついにM2のオリジナルシューティング、しかもアーケード。おまえどこの世界線から来たの?って突っ込みたくなるようなキメラ感。それに今までM2STGシリーズのアレンジモードを遊んできた人だと、その流れも感じられるゲームデザインになっていて、アレスタであり、東亜でもケイブでもライジングでもありながら、きっちりとM2STGな感じが良いです。

ひとまずカジュアルでクリアしたけど、まだまだ遊ぶ。というかせっかくAPM3というどこのゲーセンでも遊べる状況なのに、未だコロナの状況が芳しく無く、ゆっくりと遊びに行けないのが悲しい。今は隔週の医者の帰りに薬局で薬を待ってる間に1プレイって感じ。



Xマルチプライ

今やりこんでるのがこれ。アケアカ@PS4にて。ラスボス第二形態まで来てるので今にも1周できそうな感じなんだけどね。

IONA-USが(製造的な意味で)できるまで

なんとなく製作記事です。

KVClab.さんでの販売が始まりましたが、どんな過程で製造してるのか簡単に紹介。前作のIONA-JS以上に部品が細かくなっているので作るのも大変。テスト含めて色々と工夫してます。

一番最初はまず裏面のmicro USB端子から始めます。このハンダ付けが一番難しく、また電源なのでショートしてたら大惨事なので、このようにテストボードに繋いでショートしてないか、GNDと電源が正しく繋がっているか、テスターで確認しています。

次のステップではマイコンと周辺のチップ抵抗、チップコンデンサをハンダ付けし、JVSのコネクタを実装します。抵抗やコンデンサはこの時点で必要ないものも含まれています。というのも、コネクタを付けてしまうと後からハンダ付けするのが難しくなってしまうからですね。

続けて、ファームウェアの書き込み。ここでPCと接続し、サポートページにあるファームウェア更新ページを使って出荷用のファームウェアを書き込みます。ファームウェアを書き込むまではサービスボタンを押さずに電源を入れてもファームウェア更新モードになるため、ボタンを実装している必要はありません。これによりマイコンの基本的な動作確認とJVSコネクタ、電源コネクタのテストができた事になります。

次にLEDの実装。電源を入れて点滅すればファームウェアは無事に起動しています。あとLEDを逆向きに挿してないことの確認にも(笑)

ここまで来たら、あとはボタンとUSBコネクタのハンダ付けをして完成させます。

最後に最終動作テスト。右側の白い基板がIONA-USのテスト用に作った基板で、JVSホストの機能を持つUSBデバイスです。PCに繋ぐと2つのゲームパッドとして認識され、JVS側に繋いだI/Oからの入力を反映させる事ができます。これにより、JVSバスで正しく通信できる事、テストとサービスボタンが正しく反応する事が確認できます。またUSBコネクタにゲームパッドをそれぞれ繋げ、入力が正しく伝達する事を確認します。対応パッドを繋げばLEDが点滅するのでUSBバスの動作は確認できるし、ボタンについても同時押し2回で保存データの初期化を行えばLEDが点滅するため、実はこのボードがなくても確認はできるんですけど。やっぱりあると色々と便利で開発効率があがります。

IONA-JSの場合は最後のテストがもう少し大変で。ボタン毎に断線・ショートがないか確認しなければならないため、このフェーズでボタンを1つずつ押して個別に反応するか調べなければなりません。

実は最初の頃は1枚1枚naomiとJAMMA環境に繋ぎ、ボタンを1つずつ確認をしていましたが、あまりにも面倒なので途中でこのボードを作りました。このボードはJAMMAの入力をマイコンから制御し、右側に出ているJVSホストを使い、JAMMAからの入力がJVSを通して正しく返ってくるか確認する事ができます。これを使って自動的に個別のパターンを送ってテストしています。テストに失敗したらどのピンに異常があるかわかるので、該当ピンを虫眼鏡で見ると浮いてたりブリッジしてたりするので修正するって感じです。だいぶ手間が減りました。最後にnaomiに繋いで認識されるかだけは確認しています。これはVer 1系のボードで本番環境だと電源との相性なのか、クロックがうまく入らずに動作しないケースが稀にあったためです。Ver 2系のマイコンは内蔵クロックで動くため、この辺の心配はなさそうです。あと最近はテストボードでSENSE信号の電圧も測定するようにしているので、その辺も相性問題が出そうな個体を事前に識別するのに役立ってるかもしれません。

まぁ、そんなわけで、ありがたいことに同人ハードとしては結構な人気商品になりました。アーケード環境維持のために少しでも役立っていれば嬉しいです。

おまけ:筐体を置く場所もなく今までDYIでアーケード環境を作ってきた結果生まれてきた同人ハードでしたが、新居を構えるに際し、ついに筐体を購入しました。シューティング好きという事もあり、モニタの回転が比較的簡単にできるイーグレット2です。なかなか中古市場にも出てこないため、引っ越しまでずっと張り付いてないとかなーって思ってましたが、探し始めてすぐ「近日入荷」のお知らせを見つけ、連絡して契約成立。今はまだ新居に近い妻の実家に置いてありますが、来年春には新居も完成し、自分の仕事部屋に基板格納庫とともに設置されます。楽しみ:)