Woz様の回路、電車でぼけーっと考えてたら理解できたので忘れないうちにメモ。
よくある説明がこれ。柴田さんのApple II本(ブログエントリの末尾参照)より引用。VRAMから1バイトデータを取り出した時、最上位ビットが色セット切り替え、残りの7ビットで7ピクセル分の色を表現。ビットが0なら黒だけど、1だった時にはピクセルの位置によって決まった2色のうちの1色が表示される。連続して表示すると混ざって白く見えます、的な。
実はこの説明は厳密じゃなくて色は0/1のデータで表現しているわけじゃなくて、隣り合うピクセルの0→1、1→0というビットの立ち上がりと立ち下がりに反応して発色される。0か1かというのは本質的ではない。連続するビットに関しても、紫緑の場合と緑紫の場合だと色の滲み方が変わるはず。
で、原理の説明。まず色副搬送波の周波数が3.58MHz、それに対してドット・クロックが2倍の7.16MHzになっているのがミソ。適当な場所で1ピクセルだけビットが立ってる場合を考えるとドット・クロック2倍という事で色副搬送波と半周期だけ同期するパタン①と、同じく半周期だけど位相が180度ずれて同期する(値が反転している)パタン②の2種類が起きうる。ドット・クロックは2倍だけど、フリップした時に出てくる周波数成分はきっかり3.58MHz。これがそのまま色副搬送波の位相のずれとしてデコーダに検出される。
2ピクセル連続でビットが立った場合はどうかというと③と④で微妙に違う現象が起きる。③の場合は最初のビットの立ち上がりで色副搬送波と位相が一致、立ち下がりで反転。という事で連続するピクセルの左端が0度に相当する色に滲み、右端は180度に相当する色で滲む。で中間部分については色が打ち消し合ってるわけではなく、単に3.58MHzの周波数成分がほぼ0になってるため、彩度が0と判定されて白が発色される(位相差が色相、振幅が彩度に相当)。④の場合は逆で左端に180度、右端に0度の滲みがでるはず。
で、さらにApple IIでは最上位ビットを使って2つの色パレットを切り替えられる。これは14.32MHzの入ったFFを通して90度遅らせた信号を作り、遅延なしの2つの信号と合わせてセレクタに入力、最上位ビットでどちらか一方を選ぶことで実現できる。遅延付きが選ばれた場合は90度と270度、遅延無しが選ばれた場合は0度と180度の色相が取り出せるという仕組み。実際にはここで説明した位相差に加えて45度程度のずれがあり、それによって橙(45度)、紫(135度)、青(225度)、緑(315度)の4色が発色されるようです。周辺回路の遅延差がそのまま見えちゃってる感じなのかな?
という事で、本来は4割くらいの出力でカラーバースト出した上で、なだらかな輝度変化に3.58MHzに変調した色情報を載せるというのが正しいわけですが、手抜き回路では全力でカラーバースト出してやって、白黒デジタルなパタパタ出力のタイミングをちょっと前後に振ってあげるだけで独特のデジタルカラーが再現できるっぽい。これって実はマイコンでApple IIのビデオ回路を再現するのも夢じゃないって事ですね。14.32MHz-14bitのSPIが使えれば簡単に実現できる。VRAM1画面4KBって事を考えるとLPC1114あたりが適任。ビデオ専任のサブブロセッサとして任せてVRAM読み書きはメインプロセッサからI2C経由で。もしかしたらMegaZ-80Kで文字表示してたのよりタイミング的に楽かも。
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