娯楽
Apple II本は参考になるかな、と思って読んでみたんだけど、思いの外面白かった。同僚がAppleの歴史の中で語られたりしていて、やっぱすげーなー、とか思った。
しかしWozはやっぱり凄いけど、バランス感覚はないんだろうなぁ。気持ちは凄くわかるんだけど。技術的な資料としても価値のある良い本でした。
続いて成毛さんの歌舞伎本。教養としての歌舞伎を丁寧に説明しているし、何よりも読んでいてワクワクしてくる。読み終わると同時に歌舞伎手帳とオペラグラス、そしてチケットを購入。年末に見てきましたけど面白かった。これは確かに趣味として良いかも。しかし客層に驚いた。もちろん年配の方がメインではあるんだけど、20代くらいの若者も沢山いた。クラシックコンサートなんかよりずっと活気ありますね。
教養
ファスト&スローは認知心理学の権威による著書。人の判断にまつわる研究の成果を詳しく記した本。ファスト&スローと言われると脊髄反射と脳かと早とちりするけど、実際には脳を構成する2つの思考システムのこと。ファストは直感的な判断を司る自動運転プログラム群、システム1。スローはいわゆる人間的な知的決断を下すシステム2。それぞれのシステムの持つ長所と短所。問題の解決に関してそれぞれのシステムがどう関与するかが詳しく調べられている。
上巻で見られる大きな結論としては、人の脳は統計的に正しい判断を行う事が大変難しいシステムだ、という事。本質的には偏見を避けることはできず、余程の注意と教養を持ってしても是正は困難。
また、言ってみれば脳の脆弱性とも言える問題点が数多く紹介されているが、これらの弱点を突くことで印象操作や洗脳といった事がいともたやすく実践されうるし、実際マーケティングなどの分野では既に広く使われている。政治や宗教に転用されれば、戦争や虐殺にも繋がる。ある意味、核より恐ろしい研究かもしれない。
有名な平均回帰の話や、投資のプロの実力は猿以下という話も書かれていた。
しかし脳の仕組みというのは思っている以上に組織や計算機の構成法に似ている。それがこの世界の物理法則の上でやっていく最適な方法だからなのか、人の持つ先入観が計算機の設計や脳の理解に影響した結果なのかは興味深いところ。下巻は入手済みで1月に読む予定。
ギリシャ哲学の方は、哲学っていうより、ギリシア逸話集くらいの気持ちかな。結果として哲学者の話が多く出てくるってくらいで。しっかし、ソクラテスがこんなアホっぽい理由で処刑されてるとは知らなかった。巫女のお告げで一番頭の良い人間って言われて、それを信じなくて神への不遜を裁かれたのね。カッコよすぎ。あと、ドラクエIIIの巫女の元ネタってこういうとこにあったのね、とか。気軽に楽しめた一冊。
経済
資本論はGoogle Booksの安売りか何かで入手した電子書籍。マルクスの私生活の様子も含めて書かれてました。マルクスがこんなダメ人間だったとは思わなかった。働いたら負けだと思ってる、でもメイドさんは必須。そして奥さん大好きだけど、メイドさんも孕ませる。贅沢癖があって、でも同時に貧困に喘いで子供を栄養失調で亡くす。そして生涯に渡りエンゲルスにパラサイト。字が汚すぎて資本論2巻移行は本人の死後何年もかけて清書されて出版される、などなど。共産主義のイメージ変わるわー。最後の本は半導体業界本。ところどころ筆者の私怨が見え隠れするのがマイナスポイント。素直といえば素直なんだけど。
イノベーションをただの技術革新だと勘違いしている日本の問題は同感。基本的には強い技術(シーズ)は強いマーケティングとセットにならないと機能しない。常にメリット・デメリットを併せ持つ新技術が、マーケティングの力を借りてキャズム越えを実現するのが破壊的イノベーション。
ピーターの法則については著者も独自に気づいたって点を強調してて、内容に関しては甘いな、という印象。いまや誰でも知ってることだし、その対策については色々と企業の中で実践されつつある。
成長率の話になると、少子化、高齢化問題は避けて通れない。高齢化問題に対して人道的な解を見つけるのは難しいな、とつくづく思う。特に社会の縮図として高齢化問題が濃縮された大手企業、今そこに若者が飛び込むのは自殺行為以外何者でもないな、と思わざるを得ない。大手は一度潰すのが正解なんだろうな。
あと、著者の経験談から、組織再編って局面では有能な経営者は本当に有能なんだな、と思った。けど、事業の未来を読む、という局面では、やはり誰がやってもサイコロなのかな、とも。それこそ猿より無能な一流トレーダーじゃないけど。
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