小説
陰陽師は「好きだったなー、平安時代」って。宇宙皇子で散々読んだ貴族の生活。思えば、その辺の知識層への憧れが後々まで強く影響して今の自分の人生が成り立ってる気がする。田舎の人間が都会に憧れるような、そんな気持ちで知識層を見てた。まぁ、どっちも自分の中にはある。高校の頃はニューヨークの夜景の写真とか部屋に飾ってたから。でも、本当この雰囲気には惹かれるなぁ……と初恋のような気持ちで読んでおりました。定期的に続編読むかも。
あとの二冊は村上春樹。小澤征爾や坂本龍一と絡んでる本は読んだことあるんだけど、小説を読むのは初めて。東京奇譚集は短篇集で日常からふっと不思議な世界に繋がる瞬間。そんな話が何編か。スプートニクの恋人は長編だけど、やっぱりエッセンスは同じ。他の本は読んだことないけど、これが村上さんの特徴なのかな?構成が凝り過ぎてて、というかたぶん考えずに書いてるんだろうけど前半はちょっと話を追うのに神経を使う。けど、後半で話が回りだすと本当に面白い。なるほど、これが売れてる作家かぁ、と思った。過去の読書ブームでは、子供の頃は今で言うラノベばっかりだし、大学の頃はドストエフスキーとか柔らかくても安部公房、あとはSFって感じだったので。いわゆるベストセラー小説的なのは読んだことなくて、偉く感心しました。(実は6月に新宿鮫を読んでるけど。こっちも同様に感心しました)
経済関係の入門書
元々は「手元の株の処遇についてそろそろ考えないとなー」と思って読み始めた。
経済上の色々な問題って、結局のところ既得権益者によるロビー活動と、その影響で若年層への投資が不足するのが問題なのね……と思いながら読んでた。たまたま別件で読んでた記事も同じように結論付けてますね。農家にはじまり、旧メディアに多いJASRACみたいな業界団体、あと潰れかけの大企業なんかが国を貧しくする根源。あと過剰に労働者を守る法律が逆に労働者を苦しめる結果に、とか。そんな内容です。
経済上の色々な問題って、結局のところ既得権益者によるロビー活動と、その影響で若年層への投資が不足するのが問題なのね……と思いながら読んでた。たまたま別件で読んでた記事も同じように結論付けてますね。農家にはじまり、旧メディアに多いJASRACみたいな業界団体、あと潰れかけの大企業なんかが国を貧しくする根源。あと過剰に労働者を守る法律が逆に労働者を苦しめる結果に、とか。そんな内容です。
個別に書くと、この世で一番〜の2冊は経済の入門漫画。どっちも1時間かからずに読めちゃう。それでも、このくらい知ってれば選挙で騙されないくらいの知識はつくはず。訳本なので日本の話は書かれてない。最近の日本の話は3冊目で補える。実際には僕は藤沢数希から読んだ。なんかランチの会話でたまに聞く名前だったので。失われた20年について初心者でも分かる程度の経済学の言葉で説明した本。ちょっと攻撃なところもあるので、どこまで真に受けるべきか素人の僕にはわからなかったんだけど。前の2冊に戻って読んでみた限り、同じことを言ってますね。
人のリバースエンジニアリング
最近はバイオの世界でもソフトウェアで言うところのオープンソース活動だったり、ハードウェアで言うところもDIY的な動きがあるよー、という話。細かい例がグダグダ書かれてて文章自体はさっぱり面白くない。ただ、みんなで寄ってたかってDNAを弄くり倒すってのはちょっと面白い未来かもなぁ、と。どっかのタイミングで乗り遅れないようにしないと。
で、バイオパンクがバイナリアン的な人達だとしたら、認知心理学の方はゲームの目移植、Photoshop買いたくないからGimp作ったぜ、みたいな人たちがやるようなハック。人間に入力を与えて出力を観察、結果から内部のアルゴリズムを推測して人間の仕組みを解明する人たち。学問的な名前はちょっと曖昧。96年ごろ認知神経科学って名前で大学の講義受けて感銘受けたんだけど、この本的にはその名前が出てくるのって21世紀って事になってる。いずれにせよ、この分野の発展は目覚ましくて、アミューズメントセンターに行けばふんだんにその成果が堪能できる。この本は主に視覚の説明が多いけど、視覚とか嗅覚とかハック可能なレベルまで仕組みが解明されているのに驚く。DNA側から攻めるよりは、当面はこっちのほうが筋が良いかも。DARPAが記憶を操作する技術を確立しつつある、みたいな話をチラホラ見るようになったし。
その他
日本的想像力〜は猪子くんのインタビューがメイン。非言語の話は物事の捉え方に新しい視点を与えてくれて刺激的。時代や文化の影響を受けないデザインが重要になってきているし、何かが変わりつつある感じはあるかなぁ。
2冊目はKyle McDonaldさんがワークショップで紹介されてた茶の本。日本語版が無料だったので読んでみた。岡倉天心の本だったのかー、と今更気づいた。この時代に西洋に対して強気な文面、しかも英語で世界に向けて発信していたという事実はとてつもなく衝撃的。内容にそこまで興味あったわけではないので、前半だけまじめに読んで後半は読み飛ばし。
最後のはオウム事件の本。オウム事件を通して報道の在り方や死刑制度への疑問、警察や司法の暗黒面についてたっぷり書いた本。以外なところで経済の話だったり、ホリエモン事件、最近ではSTAP細胞にまつわるリンチっぷりとかが線で繋がる。特にインターネットを通じての日本人のドロッとした国民性とか……最近辛いなぁ、と思う。森さんの話はそれなりにフィルターかかってる気がして、すべてを鵜呑みにはできなかった。オウム親派ってわけじゃなくて、単純に事件に関わった事で人生が狂い、平和に暮らしてれば見なくて済む世界を見てしまった人の持つ恨みつらみ。時々文体や構成の乱れとして見え隠れしますね。
A3の参考文献として知ったんだけど、村上春樹さんもオウム事件に関する本を出してるんですね。あの事件の前と後で日本人は変わってしまった、みたいな視点が最近の作品には見え隠れする、みたいな事をアマゾンのレビューか何かで読んだ気がするんだけど、この本で背景が見えてきた。そっちの本もそのうち読んでみたい。
って事で、アマゾン先生をのらりくらし探索しながらランダムに選んだつもりだったんだけど、思いもがけないような本が思想的に繋がってたりしますね。なんで経済と村上春樹とA3が線で繋がるのか……。やっぱりアマゾン先生のクラスタリング力は強力すぎる。
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