2015年6月15日月曜日

2015年2月〜5月の読書

プライベートで忙しくなった関係でぐっと読書数が落ちてしまいました。2月から5月にかけて、3冊、9冊、3冊、8冊の計23冊。

政治・経済

1月に続けて池上さんの知らないと恥をかく世界の大問題シリーズ2、3。やっぱり面白い。一部では分かりやすく説明するために、無理やり身近な出来事に比喩してる部分もあって、そこまでは必要無いんじゃないかなぁ、とも思える部分はあった。重要なトピックはシリーズ中にも繰り返し出てくるのでわりと記憶に残ります。しかし、世界ってのは全然平和なんかじゃないんだな、と実感します。あと、ギリシャ問題とか見るとゴールドマンサックスがいかに酷い会社なのかわかる。
続けて藤沢数希さんの2冊。この著者、経済の本は読んでいて手応えがあったので、試しに別の分野も読んでみた。まずは反原発の不都合な真実。やはり文章が面白く、理系ということもありデータがしっかりしていて読んでいて安心。例の震災であれだけの事故を起こしたとは言え、冷静に分析すれば他のエネルギーよりも何桁も安全ですよ、という主張。池上さんの本の内容とも被ってくるんだけど、石油の購入ってのは思っている以上に血生臭い話で。採掘に関して人が死にまくってるのもそうなんですが、普通に米軍の第五艦隊の牽制あっての取り引きなんですね。そもそも原発にしたって、それを持つ事自体が軍事的な牽制の意味合いもあったりする。エネルギーって政治なしには語れないのですね。現実的な解になりうる選択としてはメタンハイドレートあたりに期待できるのかもしれませんけど、環境には優しくないですからね。それに近隣諸国との火種にもなりかねない。クリーンなエネルギーとしては地熱とか日本に持ってこいだとは思うんですが。まぁ、原子力村からの圧力はあるのかも。外資系金融の終わりはまぁ、読み物として。どういう仕組みで自分の給料が決まるのか、改めて冷静な視点から考えられるかも。決して実力に比例するものじゃないんですね。
最後は会社が消えた日。これはもう日本のメーカーに残っている人は絶対に読んでおくべき本。ゴールドマンサックスによって会社が食い荒らされていく様子がまざまざと。この本読んだ後だとRolandのMBO問題なんかもちょっと見方かわってくるなぁ。まぁ、家族経営でダメな経営してたという事実は否定しようがないみたいだけど。あと井植会長の話で、日本は仕組み的に創業者が資本家になる事が難しい。だから会社に同族経営としてしがみつくしかないんだ、という話は当事者の話としては説得力があった。あとは会社内の見苦しい潰し合いとか。サラリーマン上がりで経営に参加させてくと、どこも似たり寄ったりだなぁ、と思いました。残念。
という事で、なんかバラバラに読んでた本が、なんとなく線で繋がるようになってきた気がする。



SF

ここのところ小説は1巻だけ流し読みってパタンが多かったんだけど、珍しくシリーズを追って読み進めてます。巻によってまったく違う内容・文体だったりして著者の多彩な才能に驚きました。特に1巻上下読んでから2巻に移った時は、本を間違えたかと思ったくらい。ファンタジーな舞台からいきなり現代の東京に舞台が変わり、軽い男の話から突然パンデミックについての生々しい話に。共通となるのは主人公が医師という点だけ。と言っても、そこがシリーズの歴史を紐解く上でキーワードになるわけで。最後の方になってようやく2巻が物語の始まりを描いたものだとわかります。3巻はまた1巻のノリに戻って。女装の美少年を中心としたアンチオックスの話。で4巻はまるっきりの官能小説(笑)。ハニカム創世記です。電車で読むのはちょっと気が引けた。


読み物

ホリエモンの刑務所なう。A3とこれを読めば刑務所の面会の様子は双方の視点からなんとなくわかるようになる(笑)。しかし、刑務所の経営改善とか、医療の経営改善以上に起こりそうにない事だよなぁ。
せいめいのはなしは分子生物学の専門家である福岡伸一先生が、各方面の知識人と対談し、それをまとめた本。忙しい人は最後の章にまとめがあります。養老先生との昆虫談話が一番記憶に残っているかな。動的平衡とか擬態とか、進化論とかいう単純な言葉では割り切れない味わい深さが生命にはあって面白いな、と思いました。福岡先生のほうは、またどこかで読もうと思います。たぶん動的平衡の本あたり。
喪失と再起の物語は東北の震災を機に書かれた日本人に関する論説。読んで改めて僕らは第二次大戦とその後の戦後復興について何も知らされていないんだな、と思いました。なんとなく現代史は大学受験の中でもうやむやにされちゃうんですよね。もしかしたら意図的なカリキュラムなのかな。戦後復興とか日本人が頑張ったというよりは当時のトップがひねり出した奇策がGHQの裏をかいて功をそうしたみたいな感じに思える。一方で経産省はこの時の成功体験を根拠に自分たちのコントロールで高度経済成長をもう一度、とか思ってるのかな。黒船対策とかは一消費者としても本当にやめてほしいと思う。もはや日本の製造業は農業と同じ感じで。本当に守るべきなの?というところまで来てしまった感はある。

2015年6月12日金曜日

ライブの告知

久々のライブです。Cri☆siSさんの後ろで演奏させてもらったのが2008年で、この年を最後にライブハウスでの演奏はしてない気がします、僕の記憶が確かなら。会社内のイベントではパーティー会場とかニコファーレでボチボチ演奏してはいたんですけどね。で、活動再開だーっと思った矢先に3人目の子供が出来たので……たぶん一時的な復活に終わる気がしていますよ。まぁ、ともかく告知です。

Magical Girls Fes!!3!! @ 2015年7月5日(日)高田馬場CLUB PHASE

女の子イベントですが、バックバンドとして参加します。300人のキャパがある箱で開催される結構大きめなイベントですね。東京女子流のコピーでキーボード担当。Rolandの音源を限界まで駆使して仕込んでます。でも、生演奏を重視したかったのでシーケンスは未使用。オーガニックな味をお楽しみください。

闇の大感謝祭 @ 2015年8月8日(土)浅草KURAWOOD

こっちも300人弱のキャパがある箱。ライブハウス内でおでん、たこ焼きを売ってたりとか、お祭り騒ぎのイベント。今から演奏後に呑んだくれるのが楽しみで仕方がない。
演奏曲ですが、クラウドと言えば雲、雲と言えば八雲。そんなわけでTAKADA BANDでございます。昔から大好きだったんですが、いざ演奏してみるとドフュージョンなキメばかりで変な汗がダラダラと……。こちらはYAMAHAの音源で90年代サウンドを余すところなく再現。再現度という意味ではあらゆる点で海老反り級を目指しております。

とまぁ、そんなところでしょうか。せっかく久々のステージなのでニコファーレで培ったVJ技術を使いまわそうかと思っています。きっとシンセの演奏に合わせて派手に動く映像が僕の横でチカチカしていることでしょう。Powered by Web GL + Web MIDI on Chrome。

(追記)ニコニコに上がってるこの辺の動画がわりと最後の演奏かも。

2015年5月6日水曜日

HP Stream 11 d012TU その後

しばらくSD Card上のLinuxをメインに使ってますが、ディスク周りで少し設定をいじりました。やっぱりスワップが始まると耐え難い重さになるので。

まずは何はともあれzram。
$ apt-get install zram-config
でインストールしてますが、そのままだとメモリの半分をCPUの数で分割したzramが作られるので、/etc/init/zram-config.conf を直接編集してメモリの1/4だけ使うように変更してます。普通に使ってる分にはデフォルトの設定が良いような気がしますが、kvmで1GBとか持ってく時には標準設定はイマイチかな、と思って。結果256MBのzramが2つ。加えて内蔵ディスクから1GB工面して低優先度の2次スワップに当ててます。けど、やっぱりディスクまでいくと重いので、潔くOOM Killerのお世話になるのが良いのかもしれません。

あと、preloadとprelinkも。
$ apt-get install preload prelink
でインストール。prelinkはChromeに使ってます。あまり知られてない気がしますが、$HOME/.local/share/applications/chrome-app-list.desktop を使うとUbuntuのUnityでもChromeのLauncherが使えます。が、そのままだとメニュー開くのに時間かかっちゃう。
$ prelink /opt/google/chrome/chrome
みたいな感じでprelinkしとくと起動がかなり早くなる。他にも頻繁につかう共有ライブラリ使いまくりな大きめのアプリならprelinkしておくと結構幸せ。

カーネル周りの設定は/etc/sysctl.confにて。
vm.dirty_background_ratio = 5
vm.dirty_ratio = 10
vm.swappiness = 20
あたりの設定を入れてます。ともかくディスク(SD Card)が遅いので、なるべくdirtyなページはこまめに吐き出すように、と。でないとメモリ足りなくてディスクキャッシュを追い出すときに固まりがち。あとswapinessは低め。zram入れてからはzramが緩衝材になってくれてるんで不要かもしれませんが、zramない状態だとディスクが常にスワップ関連のI/Oでフルフル。たぶん閾値付近で同じページが出たり入ったりな状態。

ファイルシステム周りはtmpfsを適宜導入してvm.dirty_*設定の副作用をキャンセル。
tmpfs           /var/log        tmpfs   defaults,noatime,size=16m 0      0
tmpfs           /var/tmp        tmpfs   defaults,noatime,size=16m 0      0
tmpfs           /tmp            tmpfs   defaults,noatime,size=64m 0      0
あと/なんかにもnoatimeのマウントフラグを指定しちゃってます。ファイル読むときに、あしあと付けないモードですね。ディスク不可軽減の足しに、ということで。

ベストな設定ってほどにはチューニングしてないんだけど、標準設定よりは顕著に快適になりました。

(補足)/tmpはアップデート時に大きなファイル持ってくる子が多いので、やっぱりtmpfsはやめました。あとbluetoothが動いてないことに気づいて、こいつを試してみたけどNG。最新のkernel branchでも該当チップのsubverが未対応っぽい?無理やり別ファーム読ませたりするとデバイススキャンが動くくらいにはなったけど、同時にWifiが不安定になるので無理せず諦めました。

2015年4月20日月曜日

Chrome 43 beta with Web MIDI

こちらでもアナウンスしたのですが、大切なことなので日本語でも言っておきますよ。しかも、もっと詳しく。

最新のChrome BetaでWeb MIDI APIが標準でサポートされるようになりました。このAPIはAndroid版と全てのデスクトップ版Chromeで利用可能になります。

MIDIはご存知の通り30年以上の歴史を持つ古い規格。よくSMFと混同されがちなのですが、音楽ファイルというわけではなく楽器同士の通信プロトコルです。その通信内容を時間情報とともにダンプしたファイルがSMF。演奏情報を記録する事でカラオケや着メロの楽曲データとして利用されてきた経緯もあり、その印象から(チープな音で演奏される)音楽ファイルとして誤解されがちですが、あくまでもそれは一応用、という事で。

なんでそんな古いものをまた……と思ったそこのあなた。Webも25年近い歴史を持つ古い技術です。垣根を超えてつながることで発展してきた、という意味ではどちらも似た志を持っており、絶妙な割り切りが的を得て発展・成功した仲間です。ここでこの2つが分野を超えて繋がることで新しい応用が広がるかと思うと、なんかワクワクしませんか?

Web MIDI APIはJava ScriptからMIDIの入出力を可能にするAPIです。具体的には電子ピアノやシンセサイザーなどのキーボード類、電子ドラム、あるいはDJ機器からの入力を受け取ることが出来るようになります。一方で、各種電子楽器に対して演奏情報や設定情報などを送信することが可能になります。これにより

  • 電子楽器の音色管理ソフトウェアをWeb上で構築
  • サイトを通じて自動演奏ピアノに曲を提供
  • Web Audioなどで作られたソフトウェア音源をキーボードから演奏
  • 演奏情報をWebからリアルタイム配信
  • Web GLなどを使って作成したVJソフトを演奏情報に同期させる
などがWeb標準技術を用いて実現可能となります。すでに多くの開発者がソフトウェア音源を作ったり、DAWソフトを作ったりしていますが、これからも多くの応用が生み出されていくと期待しています。

今現在ではWeb Audioの実装で先行していたChromeのみがWeb MIDI APIをサポートするブラウザとなっています。が、仕様はW3Cで標準化されており、同じくWeb Audioの実装を持ったFirefoxも開発を進めているところです。IEは今まさにWeb Audioの対応を進めているところであり、今後に期待と言ったところです。

HP Stream 11 d012TU

3万円以下で買えるカジュアルなラップトップ。HPのラップトップはChromebook 11も気に入って使い続けてるんだけど、こういうカジュアル路線が個人的な趣味にドンピシャ。って事で、最近タブレット以外に実機を持ってなかったWindowsの動作確認用に1台入手したのでした。

でまぁWindowsとか言いながらも、おもむろにUbuntuのインストールを始めるわけですが。内蔵ストレージ32GB、メモリの4GBとなるとWindows上に仮想環境作ってもあまり現実的ではない。という事でSD Cardにインストールしてdual boot環境を作ることにしました。実は購入前にこの辺のページを見ていてLinuxフレンドリーなハード構成であることは確認済みなのでありました。

で、いざ作業を始めてみるとUEFIがSD Cardには対応していない様子。USBからUbuntuをインストールしてみたものの、GPTでパーティション切ってSD Card内のEFI Systemパーティションにインストールを指定しても、インストーラの判断かWindows Boot Managerがいる内蔵ストレージのEFIにインストールされちゃう。この時点で一応BIOSからUEFIのBoot設定でUbuntuが選べるようになるのだけど、Grubの起動はするもののLinuxの起動で停止。Grubのコマンドに降りて確認してみると、この時点でSD Cardのストレージは見えていなかった。USBからはインストーラが動いたくらいなので当然Bootは可能。という事でUEFI Shell環境をUSBから起動してみると、やはりUEFIレベルでSD Cardが見えていなかった。

という事で、SD CardからのBootは諦めて別案2つ。

  1. USB 3.0にストレージ挿してインストール:USB 3.0なら高速なストレージが使えるので、USBに逃げるのは悪い手ではない。けど、モバイルで出っ張ったデバイスにrootファイルシステムを置くのは少々不安。ちょっとぶつけただけでpanicしそう、というか昔LOOX Uを埼京線の通勤で使ってた時によく遭遇した。
  2. /bootだけ内蔵ストレージ:/bootなら512MBもあれば十分なサイズなので内蔵ストレージを圧迫する事もない。KernelとinitrdさえUEFIから見えればkernelは起動するし、initrd内に必要なドライバが揃っていればLinux全体のbootにも支障ないはず。
で、案2を採用して作業。Windows 8.1側からdiskmgmt.mscを使ってCドライブのサイズを縮小。512MB分の空き領域を作った。続けて128GBのSD Cardを突っ込んで外付けDVDドライブから14.04.2のインストーラ起動。パーティション設定になったら、さきほど開放した内蔵ストレージ(/dev/mmcblk0)から真ん中にぽっかり空いた先ほどのスペースを使ってext4を/boot用に確保(/dev/mmcblk0p5)。あとは/dev/sdaとして見えてるSD Cardに4GBのswapを作って、残りは全部/用にext4で確保。boot loaderのインストール先は指定方法として/dev/mmcblk0(MMC MBG4GC)を指定すべきなのか、/dev/mmcblk0p1(Windows Boot Manager)を指定すべきなのか迷ったけど、どうせ指定を無視してWindows Boot Managerの横にインストールされることを事前の試行で知っていたのでSD Cardである/dev/sdaを指定。
再起動後は電源入った直後にESC連打でメニュー。F9からUEFIのメニューにいけばUbuntuがGrub経由で起動できる。F10でBIOSからUbuntuをデフォルトにしておけば、Grub経由でWindowsもchainloadできるので便利。

その他、デバイス周りの注意点。
  • 内蔵無線LANは初期の14.04ではサポートされていない模様(from まさおのブログ)。14.04.2では問題なく使えてたけど、数時間に1度くらいの頻度で接続が切れて、無線アクセスポイントの認証に失敗するようになる。上記ブログで紹介してるGithubのリポジトリから最新版(2015/4/19現在)をとってきてインストールしたところ安定して動作している模様。
  • 初期状態&インストーラではタッチパッドに問題があった。カーソル移動くらいなら大丈夫なんだけど、一度クリックするとそれ以降クリックが効かなくなる。マウスの設定でタッチを一度無効にしないと外付けマウスも効かなくなるので注意。インストール中は外付けマウス使いました。この情報によればKernel 3.19で修正されているらしいが、こっちの情報によると3.16。手元ではインストール後の3.16.0-34-genericへのカーネルアップデートで治ったので、バックポートされたのかも。
  • インストール後にバッドノウハウページ発見。なかなか良い情報源。輝度調整ボタンとか音量調整、飛行機ボタンなんかは、14.04.2では標準で使えてます。
  • Caps Lockはこっちの方法で。swapcapsにするとShiftとの同時押しで誤動作するので潔くnocapsにしました。
  • BIOSからVT有効にできるのでKVMとかVirtualBoxとか入れて遊ぶのも一興。とりあえずHaiku OSのx86安定版とtrunkのx86とx86_64を入れてる。
という事で、なかなか良いマシンなのではないでしょうか、と。

2015年3月10日火曜日

c9save

僕はCloud9のヘビーユーザーだったりするわけなんですが、半年ほど前に某プロジェクトのリポジトリを某所のhgから某所のgitに移行した際、未commitなテスト用データを手違いで削除してしまいました。で、なんとなくディレクトリを眺めていると

workplace/.c9revisions

ってディレクトリがあって、ここにworkplace以下に置かれているファイルに関して.c9saveという拡張子のついた編集履歴ファイルがあったりします。内容としては、1編集履歴がjson形式で改行なしの1行に詰め込まれてて、それが編集履歴の数だけ行で並んでいるだけ。

各編集履歴は
ts: 更新時刻(JSならnew Date(ts)すれば戻せるUNIX時間)
length: 編集後のファイルサイズ
patch: 編集情報のArray(だけど、必ずサイズは1。バグでうっかり余分にネスト?)

編集情報はさらにパッチ情報のArrayになってて、パッチ情報は
start1: 編集開始位置
start2: 編集終了位置だと思うけど、基本的にstart1と同値
length1: 編集によって削除される文字数
length2: 編集によって追加される文字数
diffs: 差分情報のArray

差分情報はサイズ2のArray(いわゆるpair)になってて、最初の要素が差分モード、2つ目の要素が差分データ。差分モードは-1が削除で1が追加。0がイマイチわからないのだけど、たぶんスキップか置換。length1とlength2がモード0のサイズを両方に加味しないと辻褄が合わなくなるので、たぶん置換?

まぁ、そんなわけで、ざっくりコードを書くとそこそこデータの復元はできるんだけど。どうにも途中で落ちてるトランザクションとかあるような気がする。存在しないデータを削除しようとする編集データとかが出てきて、フォーマットの解釈が間違ってるとしてもこうはならないだろ、みたいな。まぁ、復元したかったデータはおおよそ復元できたので良いけど。

ちなみにこの辺の履歴システムは最近になって実装が変わったみたいで、最近のファイルは.c9revisions使ってません。ちょろっと試した限り、うっかりファイルを消しても同じファイル名で作り直すと、昔のデータも含めて履歴(File > Show File Revision History)から辿れるみたい。ただ履歴データはわかりやすいところには置いてなくて、どっかのdbにバイナリで突っ込まれてるような雰囲気。

と言うことで、どうでも良いメモでした。誰かのお役に立てばラッキー、くらいな。

2015年2月4日水曜日

2015年1月の読書

1月はbooklog的には30冊とかなってるけど、大掃除の際に未登録だった本を何冊かまとめて突っ込んでるので、読んでるペースは実質同じくらいのはず。今年もモチベーション維持のために当面は面白かった物をピックアップしていこうかと。

教養

まずは先月の続きでファスト&スロー。著者のノーベル賞に繋がったプロスペクト理論についても登場する下巻。下巻は特に意思決定におけるバイアスの除去について重要な知見を与えてくれます。経営者、実業家、会社の幹部の人たちは当然知っておくべき知識だと思いますが、あまり浸透していないのかな。
逆に広告代理店や弁護士、代議士なんかは、この辺りの知識を巧みに使って商売してるのだから、世の中ちょっと怖いな、と思いました。バイアスを避けるためではなく、意図的にバイアスの罠にハメるような応用しかされていない。ちょっと表現を変えるだけで、一般人の判断を麻痺させる事ができるわけだから、ちょっとした殺戮器官ですよね。
それこそ義務教育で主要科目として教えておかないと、まともな民主主義は機能しないな、と思いました。

二つ目は標準模型の宇宙。これも良書だった。理系大学生レベルなら安心して読める程度に書かれてます。図解知識本よりちょっと本格的に素粒子物理について理解するには良い本。ゲージ理論の概要理解に向けて各章で必要な知識を身につけ、最後に現状での実験物理の限界について書かれて終わる感じ。次の世代の加速器がエネルギー10桁上げないと意味あるデータが取れない、とか言われると、ちょっと今後の劇的な進展は望めないのかなぁ。本の中で2010年までには発見できるはずと言われてたヒッグス粒子も正式な発見は2013年にずれ込んだし。素粒子物理の研究がサチってくるとなるとSFな未来を夢見る者としては寂しいですね。

次は政治経済って事で池上さんの知らないと恥をかく世界の大問題。シリーズになってて、これは1冊目。政権交代直後に書かれた本なので、その辺に対する期待に関しては残念でした、という感じですが。
アメリカ中心の経済の終焉、という前提で今後の世界の動きを読んでいく。宗教の違い、資源の流れ、教育のあり方などに焦点を当てています。
気軽に読めて、わりと面白かったので、続きもボチボチ読んでいこうかと。

で、教養系の最後はプラトンのソクラテスの弁明クリトン。ソクラテスの弁明だけ読むと、ソクラテスって本当に実在したのかなぁ?という印象がありました。ツァラトゥストラのイメージに近い……まぁ、奇人ですね。
内容としては、無神論により若者をたぶらかしているという理由で死刑の裁判にかけられた時の弁明演説の記録、という体裁ですが。実際はプラトンによる創作要素も多分にあるのでしょう。
デルポイの信託で世界一の賢者と言われ、反例を示すために賢者、エンジニア、アーティストを戸別訪問。賢者に対しては、「自分の知らないことがある」事を知っている自分の方が賢いとし、エンジニアに対してはなるほど専門知識では負けるが、それによって全てにおいて賢いと勘違いしている点で愚かだと批判、アーティストは自分の作品について、まわりの批評家の方がよほど作品を理解しているため、信託を伝えるための巫女同然で本人自身には価値がないと見下す。結果、国中の知識人に嫌われ、告発されてこの裁判。見事なとんでもっぷりです。基本、死刑には狼狽えず、裁判でも媚びず、と毅然とした態度で望むわけですが、判決後の「お前らは呪われる」的発言はちょっとした綻びですね。
クリトンはその後の話。死刑執行前夜に脱走を進めるクリトンと、それを断固として受け入れないソクラテス。国家と法についてあれこれ議論して、死刑を受け入れる、と。しかし、当時ソクラテスは70歳と聴くと、そこまでの迫力は感じないかな。そういう意味でも史実なのかもしれないけど。
どちらかというと対話篇としての芸術的な価値というか。力強く迫力のある文体が魅力でした。

娯楽

最初の一冊はこんなにも優しい、世界の終わりかた。たぶんbooklogで作業してたら目について図書館キューに入った本。娯楽小説としては久しぶりのお気に入り。実に見事なタイトルで。現代に生きる人の心を文字通り洗い流すような、素晴らしい話でした。本の主題は冒頭ですぐに出てきますが「限りある生命を強く意識した時、人間は優しくなれる。誰もが平等に死んでいくのに、どうしてみんな虚栄心に蝕まれながら、他人を傷つけて生きていくんだろう」そんな素朴な思いを最後まで貫いて書かれた話。つまらない文章でまとめてしまえば綺麗事のように見えてしまうかもしれませんが、そんな事実をたんたんと、それでいて心に迫るように訴えてくる。悲しい話なのに、読んでいてとても暖かくて優しい気持ちになり、何度も涙を流してしまいました。
(海外出張中に読んだので寂しくなってしまった……)
話の雰囲気としてはファンタシーというかお伽話のような不思議な空気に包まれているのですが、ときおり心理学や進化論にも思いを寄せてしまう、そんな描写が妙に心を現実に引き止めて、単なる物語以上の物として心に焼き付きました。
技術的な面では、構成にも凄く感心してしまって。とくに1章から2章に移る展開は見事だな、と思わず読んでいて震えてしまいました。葉鍵好きにはお勧め。

次の1冊は飛ぶ男……むしろがっかりの1冊なわけですが、敢えて取り上げたいな、と。まだ安部公房が存命していた頃、インタビューなどで執筆中として語られる事も多かった、いわゆる「スプーン曲げの少年」と呼ばれていた作品の遺稿。カンガルーノートより前から書かれてたにも関わらず、結局完成しなかったんですよね。残念。もっともカンガルーノートの完成度の高さを考えれば、あちらが世に出た事の方が結果としては良かったのかも。ともあれ、未完の遺作が出版されている事を知りドキドキしながら手に取りました。
冒頭から文字通り飛ばしてるな!って期待以上の出だしだったんですが、途中から文体も視点も乱れ出して、中盤ではメモ書きの寄せ集めレベルの体裁。これから話が始まるか……ってところで前半終了。
後半は同じアイデアを元にした別テイクにも見えるけど、どうにも文章が稚拙だし、何よりも話の構成が素人くさすぎるので、後から弄られた部分かなぁ。まぁ、ちょっとこれはないな、と。
出版を楽しみに待っていた作品ではあるけど、この状態だったら公開しないほうが良かったのでは、と思ってしまった。あるいは未完なら未完らしく走り書きを集めた資料集くらいの方が価値はあったと思う。まぁ、ファンとしては冒頭だけ読んでも物凄いインスピレーションは受けたわけですが。それでも寸止めどころか、ドタキャンくらいのガッカリ度なので、一言言わずにはいられない……といった所です。

娯楽最後の1冊は天冥の標。日本製のシリーズ物のSF。アンドロイドは電気羊の〜の話を書いた後に同僚から勧められてキューに入りました。ノリとしては日本falcomのRPG(特に英雄伝説系)が好きなら気に入るかも、って感じですね。なので僕も気に入ってます。無理に遠い未来を書かず、宇宙に移民してはいるけれど、諸般の事情で科学技術が停滞して宇宙大航海時代のロストテクノロジーに頼ってる……みたいな設定はアリかな、と思いました。主人公が医者というのも日常と非日常をスムースに繋げて話を展開するのに一役買っていると思いました。同僚から感想聞かれて真面目に答えたら「萌え」回答を期待されてたみたいで……ちょっとキャラの読みがずれたか。個人的には研修のセールスのお姉さんがめちゃくちゃ好みでした。関係無いですが。

芸術

Computer Historyは良くある類のレトロなコンピュータの写真集。安藤さんが紹介してたのを見て、表紙が気に入ったので勢いでジャケ買い的な。

交響曲入門は交響曲の形式についての説明を期待してたんだけど、どちらかと言えば成り立ちについての簡単な歴史的背景。あとは時系列にそって作曲家とエポックメイキングだった交響曲について、個別に評論。楽典はある程度納めてる人向けの本ですね。
とは言え、わりと知らなかった事も多くて。例えば、もともと交響曲はクラシックの本流じゃなかった、というのは意識した事なかった。声楽→協奏曲というのが境界を中心とした本流の流れで。舞曲→オペラ→シンフォニア→交響曲という傍流がベートーヴェンの深刻な取り組みで器楽の集大成という地位を確立。でも、ほとんど同時に完成形になってしまったので、その後も時間で見るとそれほど長い間クラシックの中心にいたわけでもない。
協奏曲の方は、ピアノ協奏曲みたいな単一ソロのイメージが強いけど、声楽からの流れで言う協奏曲は交互にソロを取るリトルネロ形式。Jazzとかわりと協奏曲に近いよなぁ。
ブラームスとブルックナーがほぼ同時期の人ってのも音しか聴いてないと想像もできない事実ですね。期待とは違ったけど面白く読めました。