2017年3月5日日曜日

SoundCortexについて

GitHubで公開している音源チッププロジェクトSoundCortexについて、Qiita等で公開されている情報のリンクを集めてみました。2017/03/05時点で投稿した内容とぐぐった結果のまとめになります。

公式

I2Cで制御できる80円のPSG互換チップで遊ぼう

PSG音源部について利用方法の説明とArduino、Rasberry Pi、PCからの具体的な利用例。

I2Cで制御できるSCC+互換チップ

SCC音源部について利用方法の説明、SCC+レジスタについての概要説明など。

80円PSGをWindowsから鳴らしてみる

Windowsから利用する具体的な方法を紹介。実際にlibkssにパッチを当ててKSSファイルをチップから再生する例を紹介しています。

ユーザによる記事

FreeBSD+mrubyでサウンドプログラミング

yamori813さんによる記事。FreeBSDと言っていますが、謎のボード上から鳴らしているようです。

LPC810とArduino UNOでSCC互換音源を鳴らす(1)

LPC810とArduino UNOでSCC互換音源を鳴らす(2)

ImpactDrillさんによるArduino UNOで利用する際の具体的な記事。Arduino用のライブラリも作成されているようですので、Arduinoから利用してみたいという方には助けになるかと思います。I2Cはプロトコルの性質上、エラーが起きたときにバスハングしやすいのが難点です。通信が不安定だという方は(2)で書かれているように電圧やコンデンサなど、回路的な面をチェックすると改善されるかもしれません。

PCNベトナムキックオフ、80円コンピューターで拡張するIchigoJam、レキシライブに市長登場

IchigoJamの福野 泰介さん、IchigoJamに繋げる実験をしたようです。オリジナルのSoundCortexはI2Cのデバッグで詰まった時にデバッガを使いたくてSWD経由で開発できるようポート配置を変更したのですが、福野さんはシリアルで開発しやすいようにポート配置を再変更したforkを公開されています。書き込み環境としてはシリアルを利用している人の方が多いと思いますので参考になるかと思います。本家でも配置をビルド時に指定できるようにした方が良いかも。
IchigoJamみたいな開発環境から使うのはターゲットとして一番面白いと思います。Arduinoではやや実用的な用途に届かないし、Rasberry Piだと自分でサウンド出力を持ってるので実はあまり嬉しくない。自作の電子工作に直接組み込めればそれが一番美味しいんですが、それはそれで敷居が高いですから。

チップの入手について

ImpactDrillさんが(1)の記事でも報告していますが、一部店舗でLPC810が大幅に値上げされています。卸しの段階でキャンペーン価格が終了した等の可能性があり、今後ほかの店舗でも在庫がなくなり次第値上げされる事も考えられます。現時点(2017/03/05)ではマルツパーツが75円を維持していてお勧めです。仮に安く入手できるお店がなくなってしまったら、別のチップでの対応を考えたいと思います。コアをアセンブリで書いているのでCortex M系で適当なのがあれば良いのですが。まぁ、大した規模でもないのでMIPSやAVRに移動するのも辞さない覚悟で。

2017年3月2日木曜日

マイコン・インフィニット☆ひなまつりPRO-68K 告知

悪友イモリに誘われてマイコン・インフィニット☆PRO-68Kにイモリプロダクション名義で参加します。

・日時:2017/03/12(日)
・場所:秋葉原 UDX GALLERY 4F
●第一部 展示・即売会 13:00~16:00
¥1,000- (高校生以下無料)
●第二部 懇親会・講演 16:30~18:00
¥4,500- (事前予約制・締切りました)
※第一部から通しで入場できます。

だそうです。

展示はイモリと僕とで絶賛準備中なわけですが、ひとまず僕の方から出す予定の物を紹介したいと思います。

CP/Mega88 - AVRで動作するCP/M

だいぶ古いネタで恐縮ですが、2009年から2010年にかけて制作したATMEGA88上で動作するCP/Mエミュレータです。エレキジャック・フォーラムで発表させて頂き、それなりに好評だったようです。当時、FPGAによるレトロPCの再現が流行っていたわけですが、本業が論理設計だった私は、敢えてマイコン1つでCP/M互換機を再現するという暴挙に出ました。


スライドのセンスが7年間変わっていなくてショックです。

Applerm II - ARMで動作するApple II BASICでLチカ

同じコンセプトでApple IIをLPC1114ワンチップで実装したもの。こっちはもっと最近の制作です。本来Apple IIはシリアルコンソールで動作するようなものではないのですが、VRAMの動きをトレースしつつ、シリアル端末情報に変換しています。画面スクロールとかの検出が大変だった。Apple IIのI/OにLPC1114のGPIOをマップしてあげているので、BASICからのPOKE命令でLチカできます。



4KBしかRAMがない中で、本来それより大きなRAMを必要とするBASICを動かすには、結構な黒魔術が必要でした。



雑誌の付録になっていたMARY-MB基板を使った動画もあります。

MegaZ-80K - AVRで動作するMZ-80K

CP/Mを作った後に、次はビデオ出力込みで何か作れないかな、という事で制作。4個のAVRを使ったヘテロマルチコア構成。ビデオ出力はATMEGA328が担当。RAMの大部分をVRAMとして使いつつ、クロック数えながらビデオ信号を生成しています。Z80エミュレーションはATMEGA644上で行っており、必要に応じてVRAMへの書き込みをフォワードするわけですが、書き込み可能な期間がVSYNCの間だけに限られているため、ATMEGA328との間にバッファとしてATTINY2313を挟んでいます。このチップはサウンドエミュレーションも兼任しています。また、キーボード代わりのファミコンコントローラ制御に別途ATTINY2313を1つ使っています。これらのチップは共有バスを通じて通信します。USARTベースの独自仕様。

SoundCortex - 80円で再現したPSG+SCC音源

Qiitaで何回か記事を書いていますが、(当時)80円のLPC810というARMを使ったPSG+SCC音源モドキです。I2Cで制御できるのがポイント。

今回はRas Pi上で動作する魔改造MSXエミュレータを通しての演奏デモを予定しています。写真のようにSDスナッチャーのオープニングを流す予定。



YouTubeにはGRADIUS 2を演奏するデモもあります。

今回このファームウェアを焼いたLPC810を持ち込み、実費+α(というか、送料考えると赤字)の100円で配布しようかなぁ、と思っています。実際に遊んでくれるユーザーを増やしたいので。まぁ10個くらいですかね。

SION2HD - X68k用ゲームをHTML5でHD化


X68k用のシューティングゲーム、SION2を最新の技術を駆使してウェブ上で動くようにしてみました。しかもハイレゾ化やステレオ表示といった謎の拡張が施されています。



実際に遊んでもらう方が早いかも。bit.ly/sion2で遊べます。また、黒魔術の詳細については以下のスライドで説明しています。


2017年2月11日土曜日

Rolandのシンセの電源を買い直した

先日、セッションのためスタジオに入ったら自分のシンセの電源が入らない。幸い、スタジオにはRolandのシンセを使っているメンバー多数(というか、最近はほぼ全員Roland。頑張れYAMAHA、KORG)。という事で、その場は他のメンバーの電源を借りて事なきを得ました。という事で、その後保守部品の電源を購入したのでメモ。

Roland Online Storeに行くと保守パーツに電源コード/アダプターというコーナーがあり、その中に「ACアダプター」と「ACコード」があります。

ACコードはアダプタから出ているコンセントに刺す側のケーブル。この部分はプレステの電源ケーブルとかと同じ標準品ですね。400円ちょっと。

ACアダプターがフルセットの電源アダプターで機種ごとに違って2000円〜7000円とお値段に幅もあり、お安くもない。でまぁ、soundhouseで調べちゃうんですがPSB-100ってやつが、だいたいの人が使ってるようなシンセ一般に使えるやつでした。対応機種一覧があるので念のため確認を。今日現在、Rolandでは3,240円、soundhouseでは2,408円。

で、こいつを購入してAC-DC部を古いのと比較した写真がこれ。流石に僕の機種は古いので対応品と言っても世代が違う。新しいやつは一回り小さくなって、LEDが追加されてました。
で、このLEDなんだけど、もしかしたら故障時の判定に役立つのかね。今回僕は古いほうだったので全部買い直したわけですが、もし新しいタイプだったらACコード部分の断線についてはLEDが点くかどうかで判断できるわけですね。LED点かなければACケーブルかな、と。それ以外の本体含めた部分の故障の心配はぐっと減ります。ACコードだけで売っている事を考えると、ACコード部分の断線は意外と多いのかな。実際、僕の左のアダプタも試しにACコードを差し替えたら動いてました。ケーブル的にはAC-DCからシンセ本体に伸びてるDC側の方がずっと長いので、ACコード側が断線し易いってのは不思議ですけどね。まぁ、次回は断線しても400円くらいで直るのかな。

2016年9月21日水曜日

古いMacBookのバッテリーをやむを得ず自力交換した話

古いマシンのリペアとか、あまり需要のない話かもしれないけど。Macを制作に使ってる人なんかは古いマシンじゃないと動かないアプリ、あるいは古いバージョンのアプリでしか読めないデータなんかを持ってる関係で細々と旧型マシンも運用している人がいるかとも思うので参考までに。

ちなみにAppleのサポートページで見た時にはMacBook (13-inch Late 2009)と表示されているモデル、機種IDで言うとMacBook6,1です。Core 2 Duo 2.26 GHz、メモリ 4GB、ストレージ 250GB。自分の場合、DAWのメイン環境がここに入ってました。ホスト名みたら去年生まれた娘と同じ名前……。

バッテリー膨張による本体破損

毎日使ってるマシンなら早期に発見できたのかもしれませんが、僕の場合は1年ぶりにマシンを使おうとして発覚。半年前に一度マシンを整理、置き場所を変えていて、この時点では異常がなかったので数ヶ月放置している人は要注意って事になります。
気づいた時の有り様がこれ。バッテリーが膨張して、真上に実装されていたタッチパッドが飛び出してる。キーボードの部分も変形しています。これを見た時は「運良ければ新しいマシンを買うくらいの値段で治せるとか、そういう世界だよね」とか諦めモードでした。閉じてたのにディスプレイに傷がないのが不思議。上に別のマシンが積まれていて、それなりの圧力で押し付けられていたはずなんですが。というか、最初は圧力で壊れたんだと思ってました。

Appleはサポート終了、業者は高い

サポートページの手順に従って修理を検討するも「テクニカルサポート:期間終了」「サービス保証:期間終了」の文字。念のため近所で正規の修理を請け負ってる大手量販店の修理受付に電話で確認すると「Apple Storeで直接依頼すればまだ修理を受けられる可能性がある」との事でサイトから電話番号登録してコールバック待ち。数分後に連絡あって話をしてみると、この機種のバッテリーはもう対応できないとの事。ただ、相談にのってもらう中で「この状況で電源投入を試すのは危険ではない」旨を教えて頂いた。電源入るようなら簡単にデータ取り出せますよ、と。これが後々の自力修理へのモチベーションに繋がった。

また、正規の修理は受けられないが、対応している外部の修理業者もあるので、そちらを検討してみてはどうかとも言われたので、まずそっちをあたってみた。とりあえず検索して出てくる古いMacを専門に見ているような業者に電話してみたが、バッテリー交換だけでも1万円前後、ボディーが破損しているとなると5万円くらいになるかもしれないと言われ業者での修理は断念。まぁ、妥当な価格だと思う。ただ業務用と私物で他にも9台Macを持ってる身としては、そこまでこのマシンにお金をかける気もなく。とりあえず電源入れてデータだけでも確認しとくか、という気分に。しかし、改めて数えてみると酷いな、合計10台。

電源投入「こいつ、うごくぞ」

バッテリーは完全に死んでいるようだが電源を繋いだら普通に起動した……というか、どうやらサスペンド状態だったらしい……まるまる1年間。こんな状態なのにサスペンドから完璧にレジュームしてくれた。トラックパッドも普通に動いているので「これ、ひょっとして治せるんじゃ?」と気分が高まる。順序が逆になるが、実はこの時点で起動していたChromeのバージョンと、開いていたAmazonのページの翌日お届けの日付を見て最後の起動がほぼ1年前であることを知った。

しかしMacってわりと頑丈だよなぁ。以前Airに焼酎飲ませてしまった時も、ブラックアウトして反応しなくなったのに、数日後には華麗に復活して、何事もなかったかの如く今も妻が現役で使ってる。


分解・修理してみる

検索したらこの時期のMacBookは簡単に分解、パーツ交換できる事を確認。実際プラスとY型の特殊ドライバがあれば裏のネジを外すだけで簡単にメモリやディスク、バッテリーにアクセスできた。Y型のドライバは秋葉の工具屋さんとかで売ってる特殊ドライバセットなんかに入ってるやつで大丈夫。
あんまり沢山は写真撮らなかったんだけど、とりあえず取り出したバッテリーはこんな感じ。3つのブロックになってるみたいだけど本体中央にあたる一番端のブロックがパンパンなってる。
で、バッテリー抜いた状態で歪んでたキーボードとパッドを押し込んでみると驚くほど綺麗に元通り。レジュームにも驚いたけど、このパッケージ設計も良く考えられてるんだなぁ、と感心。電源に繋いで使い限りはこの状態でも使い続けることは可能。

バッテリーを交換する場合、このモデルではA1331またはA1342互換の物を探せば良い模様。別モデルの場合、取り出したバッテリーの型番や電圧を頼りに調べてみて下さい。特に電圧はちょくちょく変わってるようなので注意。今回Amazonで調べたら送料込みで5,000円弱で互換品が手に入りました。モノによってはバッテリー残量が表示されない事もあるようだけど、今回手に入れたやつは対応しているとの明記があったので安心して入手。
こんな感じで、きちんと残量表示できてます。

一応Disclaimer。修理全般に言えることではありますが、特にバッテリーに関しては自己責任で探してください。バッテリーの場合、滅多にないとは信じたいけど、粗悪品を掴むと最悪火災に発展するリスクもあるわけで。まぁ、ニュースになる程度にはレアな体験になるかもしれませんが。不安な場合はヤフオフで中古のジャンク品を手に入れて交換するのもありです。バッテリー抜かれてないか確認したり、落札の手間暇とか考えると面倒ですが、値段的にもそっちのほうが安いかな。

完成

虫歯になった部分、とりあえず破片が9割ほど残ってたので瞬間接着剤でくつけてみました。ますます治療した虫歯みたいになってます。この記事も復活させたMacBookから書いてますが、特に問題なく快適に使えています。メモリ8GB化とかも数千円で出来そうなので意味もなく交換してみたい気もしますが、それはそれ。

2016年6月27日月曜日

渡航記録

そろそろ渡航した国、使った空港を覚えきれなくなってきたのでメモ。すでに一気に思い出せなくなってきてるのでロストしてる物もありそう。特に国内。

(最終更新:2019/04/29)

渡航した国・特別行政区など

  • イギリス
  • スペイン
  • フランス
  • ドイツ
  • オーストリア
  • スイス
  • イタリア
  • バチカン市国
  • ルーマニア
  • タイ
  • 台湾(経由のみ)
  • 香港
  • マカオ
  • オーストラリア
  • アメリカ
  • カナダ

空港(海外)

  • ヒースロー空港(イギリス)
  • バルセロナ=エル・プラット空港(スペイン)
  • シャルル・ド・ゴール空港(フランス)
  • リヨン・サン=テグジュペリ国際空港(フランス)
  • フランクフルト空港(ドイツ)
  • ミュンヘン空港(ドイツ)
  • デュッセルドルフ空港(ドイツ)
  • ウィーン空港(オーストリア)
  • チューリッヒ空港(スイス)
  • レオナルド・ダ・ヴィンチ空港(イタリア)
  • ヴェネツィア・テッセラ空港(イタリア)
  • アンリ・コアンダ空港(ルーマニア)
  • スワンナプーム空港(タイ)
  • 台湾桃園空港(台湾)
  • 香港空港(香港)
  • シドニー空港(オーストラリア)
  • サンフランシスコ空港(アメリア・カリフォルニア)
  • サンノゼ空港(アメリカ・カリフォルニア)
  • ロサンゼルス空港(アメリカ・カリフォルニア)
  • マッカラン空港(アメリカ・ネバダ)
  • ジョン・F・ケネディ空港(アメリカ・ニューヨーク)
  • ワシントン・ダレス空港(アメリカ・バージニア)
  • ソノマ空港(アメリカ・カリフォルニア)
  • リード・ヒルビュー空港(アメリカ・カリフォルニア)
  • シカゴ・オヘア国際空港(アメリカ・イリノイ)
  • トロント・ピアソン国際空港(カナダ)

空港(国内)

  • 那覇空港
  • 福岡空港
  • 佐賀空港
  • 鹿児島空港
  • 久米島空港
  • 山口宇部空港
  • 広島空港
  • 高松空港
  • 神戸空港
  • 伊丹空港
  • 小松空港
  • 成田空港
  • 羽田空港
  • 大島空港
  • 青森空港
  • 新千歳空港

2016年2月22日月曜日

齊藤彰良さんの訃報に寄せて

エムツーさんのページにて報告されているように、尊敬する仲間を一人失いました。齊藤さんには人生において多大なる影響を受けましたので、少しばかり思い出などを記録に残したいと思い、この記事を投稿します。

僕が齊藤さんの名前を知ったのは、確か高校生の頃、MOディスクを通してでした。MO?って思うかもしれませんがMOです。当時は通信環境もなく齊藤さんのネット上での活躍を知るすべはなかったのですが、たまたま電脳倶楽部を通じて知り合った方(*1)がパソコン通信にあがっているデータを定期的にMOで送ってくれていたのです。雑誌が唯一の情報入手手段だった僕はZ-MUSICしか知らなかったのですが、MOには未知のデータ形式MDXのデータが大量に収められていました。その中でも全曲集を含む良質かつ大量のデータの作者が齊藤さんでした。さらにMOには齊藤さん自身が作られたドライバSCMとそのデータも含まれていました。MSXとX68で育った僕にとってSCMは夢のようなドライバでした。音色の魅力もさることながら、その高度な動作原理も含めてすっかり虜となり、齊藤さんは自分にとって68界の憧れの先人の1人となったのです。

その後、大学の入学に合わせて上京。一部のパソコンユーザにはインターネットが普及しつつある時期でしたが、僕は敢えてパソコン通信に飛びつきました。MOでしか知ることのできなかったスーパースターたちの仲間入りがしたかったのです。先人にならって、作ったアプリやデータを次々にパソコン通信に流しました。僕が齊藤さんと初めて直接コンタクトをとったのもこのような活動の一環でした。はっきりとは覚えていないのですが、おそらく当時の最新版のSCMの転載と、満開版まーきゅりーゆにっと対応用のバイナリパッチの配布許可のお願いだったと記憶しています(*2)。この時、齊藤さんには非常に喜んで頂き、未公開だったSCM2の実行ファイル一式と、サイキックフォースのデータを送っていただいた事を覚えています。

X68の終焉を受け入れてしばらくの間はMac(OS XではなくてClassic Mac)ユーザとして過ごしました。この当時、Mac上でもMML環境が欲しくて作ったのがT'SS - T'SoundSystemです。最初はSoundManagerの提供するソフトウェアシンセをベースにした物だったのですが、厳密なタイミング制御がしたくて波形を全て自前で合成する方式に切り替えました。当時使っていたマシンはPerforma 630、CPU的にはLC040-33MHzです。今の人の肌感覚ではいまいちピンと来ないとは思いますが、当時としてもそれほど速いマシンではありません。しかし、この時に意識していたのがSCMの存在でした。我が家のXVI(16MHz-24MHz)でADPCMへのエンコードという重荷がありながらバリバリ動いているのなら、040-33MHzでPCM合成が出来ないはずがない。そう信じる事ができたから、当時安心して波形合成に舵をきることができました。その後SEGA AGES 2500シリーズでIOP(MIPS 37.5MHz)を使ってFM音源をエミュレートする事になるのですが、この時にあったのも齊藤さんに追い付きたいという気持ちが大きかったと思います。

さて、話が少し前後しますが、齊藤さんと一緒に仕事をする事になった最初の作品がでじこミュニケーション(*3)です。僕は当時BeOS仲間だったエムツーの岡田くんに声をかけられて、C++とアセンブラとゲームの分かる即戦力としてヘルプに誘われました。その時同じく外部スタッフとして堀井社長が口説き落としていたのが齊藤さんでした。僕にとっては夢のような仕事でした。当時私はお金に困っていたので(笑)、案件の詳細は知らないままふたつ返事で仕事を引き受けていたのですが、NDAを結んでびっくり。でじこ案件だった上に、憧れの齊藤さんが参加するというじゃないですか。そして齊藤さんが提供するというサウンドドライバは僕が夢中になったSCM、SCM2に続く最新作のSCM3lt。そしてそのドライバの上で楽曲を提供するのがもうひとりの憧れの人、さんたるるさん。なんかもう、嬉しいやら眩しいやらでしたね。当時の顛末についてはさんたるるさんの投稿もぜひ読んでみてください。この2人のコンビが放つゲーム制作への情熱、執念には本当にただただ圧倒されるばかりでした。

その後、齊藤さんは関東に出てきて正式にエムツー社員になる事を決断。僕は外部スタッフのままお手伝いを続け、でじこ2やSEGA AGESとしばらく仕事でご一緒させて頂きました。僕はこの時のお金で修士を卒業させて頂き別の道を歩む事に。その後のエムツーさんと齊藤さんのご活躍は皆様ご存知の通り、といったところです。

いまやスタープレイヤーの溜まり場となったエムツー。堀井社長の持つゲームへの情熱と巧みな経営戦略、そして齊藤さんの第二の人生を切り開いた人材プロデュース力に感謝。そして大切なきっかけを作ってくれた岡田くんにもありがとう。


(*1): 確か、読者から読者への読者プレゼント?っていう、よくわからない企画で当選した時の出品者でした。人生唯一の文通経験です。SFXVIとか知ったのもこの時です。

(*2): 満開版はI/Oアドレスに若干違いがあり、未対応のアプリを動かすためにアドレスを書き換えるようなパッチが簡単ではありますが必要だったと記憶しています。市販ゲームのサウンド周りの16MHz/24MHz対応バイナリパッチなどと合わせて、当時は身の回りで動かないアプリに対して手当たり次第パッチを作り公開していました。

(*3): 昨年末の大掃除、当時書いた手書きのミニゲーム企画書が出てきました。懐かしいです。

2016年2月4日木曜日

2015年10月〜12月の読書

10月は8冊、11月は3冊、12月は4冊……って事で低空飛行が続いてます。まぁ、読む数が減ると、自然に投稿頻度も減るって感じで。2014年は後半から読書を再開して141冊だったんですが、2015年は通年で94冊だそうです。で、おそらく2016年はもっと減らすつもり。というのも通勤時間を読書にあてていたのですが、今年はTOEICに再び注力してみようかな、と思いまして。なんか900軽く超えてるくらいじゃないと色々と生きるのが辛くて。まぁ、そんなわけで2016年は怪しげな英語学習ブログよりはリアリティのある学習体験談が書けたら……とか思って学習計画実践したり公開テスト受けたりしております。

娯楽

「あいどる・とーく」は個人出版モノですね。Google+上で活動を展開している(で、あってるのかな?)日本独立作家同盟さんの群雛って雑誌があって。実は最近わりと読んでました。掲載にハードルを設けてないわりには結構面白い作品があって。その中でも神楽坂らせんさんは良作を定期的に投稿されてる方。
SF短編で、うるっとくる良い話でした。主人公のとある設定を効果的に使いながらアイドルに普遍の孤独感をうまく表現しています。中間部の断片的な文章を重ねた表現方法も、主人公の設定や背景とあいまって良い雰囲気が出ています。結びも適度な読後感が刺さってきて良かったです。いくつかの解釈が頭の中をぐるぐるして、最後の何ページかを読み返しちゃいました。

「風の歌を聴け」村上春樹のデビュー作。本当はタイトルに惹かれて「羊をめぐる冒険」を借りてたんだけど、先に読んでた妻が「3部作の最後の作品だからこれだけ読んでも……」とか言ってたので、自分はそっちは読まずに最初の作品を読んだ、という。デビュー作からこういう空気を出せてた人だったんですね、なんか感心。引き続き3部作を読破したいけど、今年ペース落とすからだいぶ先になりそう。まぁ、人生は長い。

「天冥の標VII 新世界ハーブC」遂に創世記かぁ。以前の巻では万能な少年として描かれていた少年が、ここにきて人類滅亡の苦難の前に立たされ、ただの人に成り果ててただれた生活を……。こういう展開が書けるのが小川さんの凄いところだと思う。このまま読書のペース落ちれば、執筆に追いつく事は当面ないかな(笑)。まだ読み終わりたくない作品なんですよね。



教養

「コトラーのマーケティング思考法」マーケティングの人のバックグラウンドを少しでも知りたいなぁ、と思って選んだ本の1つ。垂直思考、水平思考についての教科書。読んでみて、市場っていうのはこういう考えのもとで焼畑農業的に刈られてきたんだなぁ……という思いとともに、限界まで細分化された今でも未だこの考えに縛られて部署の生き残りを考えてる組織が多いんじゃないかと。そんな風に感じました。古典として知っておいて損はないかもしれませんが。あとは単純に一人ブレストしたい時にも使える手法、ていうか、なんか別の本でそういうの読んだ気がする。

「スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 マクロ編」なんか人気あるっぽいティモシー・テイラーの本も読んでみた。本格的な本に見えるけど、たぶん基本的なところを概要だけって感じだと思う。基本的には良い本なんだけど、改めて「この世で一番おもしろいマクロ経済学」は良書だったんだな、と。あっちはもっと薄い漫画なんだけど、改めてこっちの本を読んでみても新しいことを覚えた感じはしませんでした。

「住まいの解剖図鑑」家にあったので読んでみた。昔妻が家を建てた時に読んだらしい。住宅の設計について、建築家はどんな制約のだけでどう考えてデザインしているのかを、普通に人にもわかるようにゆる~く解説した本。建築家を目指す若者と家の購入を検討している人、双方に向けて書かれた本だそうです。物の配置に関する話題が多いので、借家の人が読んでも家具のレイアウトなんかの参考になると思う。オフィスのデザインをどっかの事務所にお願いする、なんて場合にもこれを読めば適切なダメ出しができるようになります。



技術

「表現の技術」タイトル的には映像表現についての本のようにも見えるのだけど、実際はCMの映像制作を専門とする著者が、脚本の書き方の要を優しく説いたような本。コンテで考えるところが映像制作屋さんぽいところだけど、内容的には大衆小説執筆のイロハを書いた本と同じような事を言っています。小説家を目指す人向けの本よりは文字が少ない分、すっと頭に入ってくるかもしれません。

「Unreal Engine 4で極めるゲーム開発」非常に良いUE入門書。学ぶ順序も良くねられているし、職種によって読むべき章を限定して、必要に合わせて読む順番を変えられるような工夫もみられる(エンジニアは結局全部必要ですが)。覚えることの多いGUI操作も、必要に応じて説明があるので無理なく退屈もせず覚えられるのが素晴らしい。これで飛ばし読みOKなんだから、相当構成には苦心してるはず。筆者が昔好きだったゲームブックの話が時々出てくるけど、この解説書自体がまるでゲームブック。
若干誤植が多いのが難点ですが、ハンズオン的に読んでいく分には、多少トラブルありながら進めていくほうが身につくので目をつぶりましょう!ただし、UEのバージョンは本書と揃えて読み進めた方が無難かも。たいして違いはないだろうと最新版の4.10.1で始めたら、所々細かい違いがあったり、Blocking Volumeがうまく不可視になってくれなかったり、結構はまって後悔しました)。
チームによる大規模開発におけるノウハウ(工程、作業プロセス、運用Tips)や心構えなんかも書かれていて、大手ソフトハウスの様子を垣間見ることができます。
ある程度ゲーム作りのパターンは知ってる人がUnreal Engineについて一通り学ぶのには最適な本かと思います。逆にジャンルごとのゲームの作り方、みたいな事は一切書かれていないので、そういうのを期待してる人は別の本を探した方が良いかと。
ちなみにそれなりのプログラマでゲーム業界経験もある私ですが、全部まじめに読みこなすのに100時間以上かかりました(バージョン差異でハマった時間も含みますが)。

「OpenGL ES 3.0 Programming Guide」GLES2.0の本は日本語版を持ってた&それでGLを覚えたんですが、3.0は重複する部分も多いし、日本語すぐには出なそうだったので、とりあえずKindleで買って読んでみました。まぁ、紙の日本語版、デジタルの英語版が揃ってると、必要な時に調べるのにも楽かな、とも思って。一応全体を通して読んでみたんだけど、日本語版読んだ時に理解できなかった影の計算方法とか、今度はようやく理解できました。英語のほうがゆっくり読むのと、論理の筋道がすっきりしているのと、あと2度目なのと。全部の相乗効果ですかね(笑)。