2019年10月12日土曜日

基板修理:ケツイ絆地獄たち


今回はこんなの。一部のスプライトが影絵みたいに単色で塗りつぶされちゃう。実はこれ、基板を見たらROMが1枚割れてるのがわかりまして。


さらに言えば、左にあるアレイ抵抗も割れてる。前のオーナーが落下させたりとかしたのかな?ここまでわかったら確認する事は決まっていて、エミュレータで該当のU7をゼロで塗りつぶして何が壊れるか調べるとビンゴ。そんなわけでやる事は簡単なはずなんだけど……PGMで使ってるROMって64Mbitとか32Mbitのやつで、代替のEPROMが存在しない。フラッシュで同系列の配置のやつで26L6420ってのがあるにはあるんだけど電源が3.6Vなんだな。しかも手持ちのTL866やtop3000では焼けない。同じSOP44でもガンバードの8MbitのAM29F800はギリギリ焼けたんだけど……残念。そんなわけでbuyICnowってサイトを使ってチップ購入ついでにデータ送って焼いてもらいました。厳密には著作権的にNGなんだろうけど已む無し。

26L6420で置き換える際に注意すべきなのは電源を3.6Vに置き換える事と、ROMには存在しない/WE信号をHIGHに釣る事。ガンバードの時もそうだったけど、今回も/WEを忘れててアバンギャルドな絵が出てきて「直らない、おかしいなー」とか考えてしまった。バスに関しては-1Vから電源電圧+1Vまでの入力が認められているので、厳密には4.6Vが限界値なんだけど、まぁハズレじゃなければ動く範囲だと思います。

3.6Vについてはツェナーダイオードを使ったシャントレギュレータ回路を構成しました。使ったツェナーダイオードは1N5226Bなので正確にはツェナー電圧3.3Vです。Zz=28Ω、Iz=20mAで、26L6420の最大電流を45mAとして計算。ワーストケースで計算するとRs=38Ωを使えば良さそうです。ツェナーダイオードと抵抗での最大消費電力は200mWくらい。もったいない。実際にはRs=33Ωを使ったところ実測ベースで3.6Vになってました。波形をみた感じノイズが載ってるわけでもなかったので、このままの値で処理しました。


こんな感じ。もう少し綺麗にしたかった。抵抗に表面実装を使えば見た目も綺麗になるだろうと思ってレギュレーター使わずにツェナーで組む道を選んだのに……いざやってみようとしたらハンダ付け難しくて途中で面倒になって普通の抵抗にチェンジ。しかも後から気づいた/WEの処置とかあって、いきあたりばったり感が凄い。


でもまぁ、はい。画面は綺麗に直りました。

ちなみにU7はとなりのU8とバス配線は共通です。なので/OEと/WE以外は同じピン同士がショートしてるか確認する事でハンダ付けのチェックができます。

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