2020年12月1日火曜日

東京クロノス

なんか書いてたら前振りが長くなってしまったので、前振りだけ分けて投稿しとく事にします(笑)。VRとMyDearestさんの応援です。ほかの人がVR始めるきっかけになれば。

VRと東京クロノスと私

この手の技術にはまっさきに飛びついてきたんだけど、VRに関してはダンボールとスマホで安価に実現するCardboardを使ってウェブの可能性について調査するに留めていました。興味を持った新しい技術はなるべく土台から理解したいので、ウェブを使いつつもCANVASに自力でステレオ3D描画、ヘッドトラッキングもOrigintation APIを使って自力で計算。必要となるキー技術と簡単なデモを作って確認。あとはアイデア振ってきたら好きな事やればいいや、という感じで。本格的なPCVRから距離を置いていたのは、もう20年くらいWindowsベースのハイエンドPCを手元に置いてなかった事が大きかったかもしれません。でもVRを使った面白そうな実験はタイムラインにも時折流れてきており常に気になる存在ではありました。そんなおりに見たのが東京クロノスの記事でした。

出会い

2019年3月20日に東京クロノスがOculus Essentialsに選ばれた、という記事が飛び込んできました(たぶんこの記事)。今思えばこれも岸上プロデューサーの感極まった熱量が自分まで届いた結果だったのでしょう。そして5月1日に読んだと思われる記事がこれ。今さっきメールを確認したらOculus Questをオーダーしたのもこの日でした。すっかり記憶になかったけど、Quest発売が5月21日なので発売日前に予約してたんだ(笑)。もちろん購入を決めたのは東京クロノスがQuest向けにリリースされると知ったから。PCVRに躊躇してた自分にとって、Questと東京クロノスのコンボがVRに本格的に飛び込むきっかけとなりました。ちなみにワイ、この時点でPSVR持ってたけど、VR酔いが酷く、アイマスとミクさんのライブを少しみて放置してる感じでしたw 遊ぶ専用機だとこういった場合にモチベーション継続しないんですね、僕の場合。その点Questは自分でも開発できるので安心して購入できます。もしPSVR版が先に出てたらQuest買ったのかなぁ、どうかな。ちなみにこの時期にSystem 16Cサブボードの設計とかIONA-JSのプロトタイプ作ってるので、この時期に蒔いた種はよく実ってる。ちなみにQuest版の発売日は6月21日で、自分は22日には全シナリオクリアしてたみたい。発売直後にがっつりプレイして即クリアとか、生まれて初めてじゃないか?

最初の印象

まず目に留まるのはLAMさんのキャラデザ。この作品で商業デビューって事らしいけど、ただでさえ日本式文法のアドベンチャーゲームをVRに持ち込むっていう新しい試みの中で、当時まだフォーマットとして定着してなかったLAMさんの先進的なデザインを採用したのは凄い賭けだな、と思います。もちろんイラストとしては既に十分成立してたんでしょうけど、いわゆる二次元の世界に飛び込む、没入感が鍵となるVR作品の中で、全キャラクターが大袈裟に言えばピエロのような目とメイクをしている。その違和感みたいなものがあるのか、ないのか。結果的に言えば、その新しい文法によってリアルとバーチャルの垣根を曖昧にする事に成功したのかも。今ではすっかり世の中の文法を書き換えて馴染んでしまったLAMさんのデザインですけど、当時はやっぱり目を引きました。

VRならではの迫力

わりと序盤のシーンですが非常に印象に残っているシーンがあります。

スクリーンショットでみると「なるほど?」ってくらいの印象かもしれません。けどこれ、実際には隔離された渋谷の交差点で、ようやく仲間と合流できて一安心ってところで見上げるビルにドーンと浮かび上がるわけです。この絵の中のキャラクターたちと一緒に自分も見上げてるんです。本当に背筋がゾクゾクした。ここで「これ凄い、VR凄い」って気持ちになって一気にプレイし続けるきっかけになったんですね。ちなみに見上げなければ景色はこう。

ね、本当に見上げてるんです。

回想シーン

岸上プロデューサーがオンラインイベントでVRの難しさみたいな事を話されていた際、舞台との共通性について話されていました。ゲームが1人称視点に縛られるがゆえに制限される表現も多い。そんな中で頑張られたであろう回想シーンの演出が自分は大好きでした。



回想中のキャラクターはモノクロとなり、セピア色の影絵のような形で過去の記憶や心象風景が語られます。これは既存の表現方法をうまくVRの中に落としたなぁ、と感じました。

シナリオ

繰り返しプレイし、運命を選択していくことで物語の核心に触れ、真実に近づいています。なので、周回プレイが必要なゲームです。とは言え、発売日翌日に全シナリオクリアしていたくらいなので、そんなに長いものではないので時間のない大人も安心してプレイできます。話は非常に面白いです。SF要素の強いアドベンチャーが好きな人(シュタゲが大ヒットしたんだから好きな人はたくさんいるはず!)には刺さると思います。

オープニング

まぁ、ネタバレできない類のゲームなので最後にオープニングについてでも。東京クロノスではアニメの文法をなんとかしてVRに落とし込もうと工夫しているように思える個所が随所に見られます。オープニングやエンディングなどのデモは特に難しかったのではないでしょうか?


スクリーンに映し出されるような形でオープニングアニメーションが始まりますが、サビに向かうところでスクリーンの中の主人公が飛び出すような形で3D空間にデモが展開されます。このあたりはとてもかっこいい。

期待したいところ

本気で応援してるので良いところだけじゃなく期待したいところも書いちゃいます。

まず最初に気になったのは全体的に世界が一回り大きく感じられた点。これは例えば桃野夕がすぐ隣に座って話してきた時とかに「お、おう……でかいな」という違和感になってしまってた。これは後々VRChatやって気づいたんだけど、アニメキャラのデザインをVR空間に持ってくると、等身の関係で違和感のないサイズに収めるのが難しく、全体が大きくなりがちって事なのかも。次回作ではだいぶ改善されてる予感がしますけど!

また既存表現のVRへの落とし込みはまだまだ消化不足なところがあって。例えばオープニングはサビ入りで最高に盛り上がるんだけど、その後にアニメOPの文法を使ってキャラが順番に「はい、ポーズ」。やっぱりここが難しくて。アニメは限られたスペースを目いっぱいに使うような動きと背景を使って派手な表現を追求するよう進化してるんだけど、VRは空間が広大すぎて視界が表現で埋めきれない。結果として少し地味で間延びしたようになってしまっている。この辺りを次回作でどう解決してきてるかは凄く楽しみな点。まだ誰も解決していない問題だと思うし。

まとめ

そんなわけで、普段あまりこういう事しないんだけど、今回はガッツリとブログを書いて応援する事にしました。岸上プロデューサーの熱量に感化されてるんでしょうね。岸上さんの5日後に社運・人生をかけたVRゲームが発売されるVRスタートアップ社長のnoteもとても感動的な話なので皆さんぜひ読んで応援しましょう。

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