2018年6月19日火曜日

F2大マザー

今度は1200円のF2大マザー。起動しないってやつの修理に挑戦。(そう言えばTAITOロゴのAとASAHIネットのロゴ、少し似てる。僕にとってはどちらもUTMC繋がりなんだけど、何か関係あるのかな……zakさんなら知ってそう)


まずは目視で診断。このカスタムの160ピン側の角が3本ほど潰れてショートしてました。QFPには良くあるやつ。足を揃え直してハンダで補強。他にも潰れっぽいのがあったけどテスターで見る限りきちんと絶縁されてるようだったのでそのまま。

ここでひとまず電源を入れてみる……と5秒くらいで画面信号が出てくるんだけど真っ暗。仕方ないので68000のバスをロジアナで眺めてみると、普通に初期化はパスしてゲーム起動までいっているような雰囲気。

という事で音を確認。実はうちの環境、-5Vの電源はあるのにJAMMAハーネスには出してなかった。だって必要な基板今までなかったし。でもF2大マザーは-5Vがないと音が出ない子。という事で-5Vも配線して起動してみたら……音楽は普通になってた。コイン投入〜ゲームスタートできているので画面の問題っぽい。
って事で、少しやる気を無くしたんだけど、F2は同期が少し特殊で環境によっては画面がぶれる〜みたいな情報があったので、普段使ってるCGA→S端子ではなく、もう1つのCGA→VGAの変換基板で試してみると……


ふむふむ……出てるじゃないか……画面化けてるけど!そこまで難しい症状じゃないのでしばらく調べてみる事に。幸いロジックICは少なく、FFを中心に故障がないかざっとチェック。次にSRAMの塊を疑うことに。

SRAMに関しては/CSを強制pull-upしたり、/WEを強制pull-downしたりする事で該当チップがある程度予測可能。今回SRAMはIC1〜8、IC11〜18の合計16個あるわけですが、/CSは奇数番ICと偶数番ICの2系列だけでした。こいつらピクセルクロックの半分の速度で交互にアサートされて、奇数・偶数合わせてピクセルクロックで画像を送り出してます。今回、奇数側の動作を止めることでノイズが消えたため、問題は奇数番ICと判断しました。次に/WEで絞り込み。常に書き込みを指示する事で、バスにデータを出させないようにして疑似的な休眠状態を作ります。これでノイズ部分が消えたり同じ部分に別種のノイズが乗るところが怪しい。/WEから推測されるのはIC3,4,13,14のうちどれかの故障。/CSの条件と合わせて考えるとIC3かIC13の不良です。

最後はデータバスにゴミを載せて化け方を比較し、IC13の不良と判断……としたのですが……正しくはIC3だった。おかげで面倒なSRAM載せ替えを2枚分。ソケット化してたのでIC13には元々のチップを載せて、IC3だけ手元の在庫と交換しました。20年近く前に秋葉で買ったSRAM、最後の1枚。

木星に着いたよお〜       着いた〜!!(なぜ全裸?)
流石TAITO、クイズでも地球が割れる

IC3の差し替え中にうっかりIC13からIC12へ伸びてるA12の線を切ってしまったらしく画面が大きく乱れて焦りましたが……断線によってピンが浮いてしまった場合、触ると0/1揺れてノイズ乗るので問題特定しやすい。ちなみにIC18→IC11→IC1→IC8って方向にチェイン状に接続されているので、IC13からIC12への接続が切れると、IC1からIC12まで全部の足が浮きます。逆に接続は1から12のどこかのA12を13から18のどこかのA12へ繋いであげれば大丈夫。ここはソケット化した3と13と繋ぐことにしました。無駄にジャンパーorz


修理後のSRAM群。右にあるカスタム0200OBJ、0210FBCに繋がってます。アドレスもデータも両チップに分割して接続されており、両チップが密に連携してスプライトとオブジェ面を合成してる様子が伺えます。CPUから見えない場所にあるのでテストモードの診断とかでは検出されない。一応、必要なとこだけ作った雑なメモを貼っときます。


それと何かの確認で役にたつかもしれない最終的なボード写真。右下がサウンドで、左ほぼ半分が画面ですね。配線も素直だし、これくらいの部品点数なら調査も楽で助かる。値段分以上に楽しめた。



しかしチップの取り外し難しい。特にVCCとGNDのピンがハンダとれない事が多い。昔のトラ技の動画に従いヒートガンで温めながらチップを抜く……ところまでは綺麗にいく。でも残ったハンダを表からコテで温めて裏から吸引器で〜ってやってもハンダが溶けてくれずに吸えない箇所が必ず出てくる。VCCとGNDとかは常に吸い取れなくて。基板の内側に配線層があって接続されてる場合なのか、それとも電流多く流れると合金化が進むのか……。良い方法知っている人いれば教えてください。とりあえずヒートガンで温めて針形の工具で貫通させて吸い取ったりとかはそこそこうまくいってる。

0 件のコメント: