最新のChrome BetaでWeb MIDI APIが標準でサポートされるようになりました。このAPIはAndroid版と全てのデスクトップ版Chromeで利用可能になります。
MIDIはご存知の通り30年以上の歴史を持つ古い規格。よくSMFと混同されがちなのですが、音楽ファイルというわけではなく楽器同士の通信プロトコルです。その通信内容を時間情報とともにダンプしたファイルがSMF。演奏情報を記録する事でカラオケや着メロの楽曲データとして利用されてきた経緯もあり、その印象から(チープな音で演奏される)音楽ファイルとして誤解されがちですが、あくまでもそれは一応用、という事で。
なんでそんな古いものをまた……と思ったそこのあなた。Webも25年近い歴史を持つ古い技術です。垣根を超えてつながることで発展してきた、という意味ではどちらも似た志を持っており、絶妙な割り切りが的を得て発展・成功した仲間です。ここでこの2つが分野を超えて繋がることで新しい応用が広がるかと思うと、なんかワクワクしませんか?
Web MIDI APIはJava ScriptからMIDIの入出力を可能にするAPIです。具体的には電子ピアノやシンセサイザーなどのキーボード類、電子ドラム、あるいはDJ機器からの入力を受け取ることが出来るようになります。一方で、各種電子楽器に対して演奏情報や設定情報などを送信することが可能になります。これにより
- 電子楽器の音色管理ソフトウェアをWeb上で構築
- サイトを通じて自動演奏ピアノに曲を提供
- Web Audioなどで作られたソフトウェア音源をキーボードから演奏
- 演奏情報をWebからリアルタイム配信
- Web GLなどを使って作成したVJソフトを演奏情報に同期させる
今現在ではWeb Audioの実装で先行していたChromeのみがWeb MIDI APIをサポートするブラウザとなっています。が、仕様はW3Cで標準化されており、同じくWeb Audioの実装を持ったFirefoxも開発を進めているところです。IEは今まさにWeb Audioの対応を進めているところであり、今後に期待と言ったところです。
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